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天星の護りの手

アスカ

[アスカ]

キャラID
: FG906-006
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 魔剣士
レベル
: 132

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アスカの冒険日誌

2021-04-10 07:50:07.0 テーマ:その他

とある蒼天の外伝「第111回-1~再会と感謝~」

これは蒼天のソウラの二次創作になります。執筆者の
独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が苦手な方は
注意が必要です。それでも良い方は進んでください。
 
ー本編ー
 
「び、びっくりしたぁー…お兄さんー!体が光るお薬なんて、
飲ませないでよー……ってあれ?体が…軽い!」
 
と、少年はベットの上で嬉しそう声をあげながら跳ね出した。
フツキはその光景をみて
 
「救えた…”お前”を救うことは出来なかったが、こうしてこの子を…」
そうつぶやいた時…
 
 
 
 
ーーおつかれ! ーーフツキ!

 
 
フツキの頭の中に声が響いた。そしてそれに呼応したように
目の前の少年の動きと窓の外に見えていた木々の枝が
ピタッと止まる。
 
「!…なんだ!?…それに今の声は…」
 
 
フツキは状況を呑み込めないまま、部屋を白い光が
包み込んでいった。


  
 

 
 
 
 
 
 
光に包まれた先、そこは少年が居た部屋では無く
小鳥たちがさえずるように鳴き、風が心地よく吹き抜けていく
自然豊かな平原が広がっていた。遠くに見える木々が碧く
生い茂っている事がわかる、天を覆うほどの大きな木の根本に
フツキはひとり立っていた。
 
何が起こったのか、分からず周りの状況をつぶさに確認すると、
フツキの記憶の中である情景がふと思い浮かび、
「ここは…見た事がある…」
 
「…フツキ」
 
フツキはそのかけられた声に驚愕し、横を見ると、
隣に寄り添うようにハンマーを背中に担いで立つ一人の
ドワーフが居た。気配はなかった、しかしまた目の前の
人物を見て、また記憶が蘇る。
 
フツキは確信を得るために恐る恐る
 
「り…“リヒト”なのか?」
自分の記憶の中、かつて救うことが出来なかった
相棒の名前を呟いた。 
 
「あぁ…久しぶりだな、フツキ」
と、名前を呼ばれたリヒトは笑顔を見せて答えた。

「お…お前なのか!?…確か、俺の前で…!」
と、取り乱し始める。しかしリヒトは冷静にフツキを
落ち着かせるように

「そうさ…オレは、あの時…お前の腕の中で眠った… 
だけどおれのかかっていた流行り病の事さ…

“ちゃんとお前に相談しておけばよかった”って
目の前が真っ暗になっていく…その間際に考えちまったら…

その…なんていうか”あの世”っていうヤツいけなく
なっちまったんだよ…」
 
「まさか…聞いた事があるが“未練”っていう
ヤツじゃないのか?」
  
「そうかもな…」
 
リヒトは、どうする事も出来ないままフツキが
持っていってくれたバンダナと一緒にその後の旅も
見守っていた事。

自分が死んでから落ち込んでいたフツキに
何も出来なかった事を悲しんでいた事を話していく。

フツキもリヒトの言葉を聞きながら、今までの
自分を振り返り、互いに悲しみを背負い続けていた事を
自覚する。

話している内に、リヒトの言葉がだんだん明るくなっていく。
 
「…だけどお前、新しい相棒“パートナー”が出来たよな?」

「……おい、リヒト…?」

バンダナを所持している頃を思い出すと何かを察した
フツキは、急に焦り始めた。
 
「はは…!知ってる!“アイツ”に出会って変わった…
“いい方向”にな」

「それは関係な…」

「一人で居た頃よりは…ずっとよかった。バンダナを
最後に一緒に行動した清廉の大滝に置いていった時は
ちょっと悲しかったが…それでも嬉しかったよ…フツキの
明るい顔をするようになったのをな…」
 
焦り気味のフツキは思わず否定しようとしたが、嬉しそうに
話すリヒトの言葉に何も言えなくなる。その後は、自分にかかっていた
病の事や相談しあえなかったの事、話したかった事を全部話した。

そこでやっとフツキは今ここに、リヒトがいる事に謎を感じた。
 
「……ところで、なんで今、リヒトはここにいるんだ?」

「…それは分からない。ただ…バンダナがここに
置かれてからはその近くから離れられなくなっちまって
しばらくは近くに住んでるって言う”黒色”と”白色”の妖精が
時々遊びに来てくれたりして、退屈はしてなかった…ただ…」

「ただ…?」

リヒトは急に言葉を濁し、そして続ける。

「ついこないだ…おれの居た滝も何もかも全部…”紫の霧”に
飲み込まれた時は驚いちまったよ…」

そこでフツキは、マイカから聞いた話を思い出し、
リヒト自身に何が起こったのか把握した。

続く
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