これは蒼天のソウラの二次創作になります。
執筆者の独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が
苦手な方は注意が必要です。それでも良い方は進んでください。
ーーー本編ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
時は、フツキ達がヴェリナード城へ帰った頃の
イシュナーグ離宮が近い海辺。そこは岩場が多くあり、
そこは戦いで使われた戦艦の残骸が流れ着いていた。
波が浜辺を打ち鳴らす音が響く中、2つの影が対峙していた。
ひとつはエルフの女性、白銀の鎧に身を包みその手には
自身の丈と同じくらいの立派な羽の装飾があしらわれた
大剣を手にしていた。
もうひとつは、槍と盾に頑丈そうな鎧に兜、その顔には
ピエロのように笑っている仮面をつけている兵士。であるが
その足は筋肉質で何本もあった。その姿はさながら人とタコが
合わさったような魔物だった。
「若様の命で海上を調査していたら、まさかこんなにもあっさり
見つかるとはね……何者だ?お前」
「私ですか?……”ルクレツィア”と言いますよ?」
「ノンノン♪名前は、聞いてないよ。どこの”手の者”か聞いているんだ。」
「…質問の意図が分かりませんし、あなたは誰ですか?…魔物さんみたいでは
ありますけど…?」
「……はぁ〜話が噛み合わないみたいだなぁー、まぁ良いさ。俺の名前は
”ワーシュ”。悪いけど…今から、情報収集のためにキミを連れ帰らせて
もらうよぉ♪」
そう言って、ワーシュは槍を構え、タコ足に力を込めると
バネのように前へ跳ね跳び、ルクレツィアに突進する。
突然の事だったが、ルクレツィアは横に体を反らせて
回避する。ワーシュはすかさず足を器用に動かし、軌道を
操作し、間合いを詰めようとする。
「大振りの”ソイツ”じゃ、俺の速さにはついてこれないぜ!」
「このーッ!!」
ルクレツィアは、大剣を横に構え、力強く
”高速で” ーーーー振り抜かれた。
「いいっ!?」
ワーシュは咄嗟に身をかがめ、剣閃を回避した。
通り抜けたその一撃は、ちょうど後ろにあった岩壁を
横に真っ二つに斬り裂いた。
ガラガラと崩れていくそれをルクレツィアとワーシュは
眺めながら、
「あーーおしかったですね♪でも、綺麗に斬れて
良かったです。」
(怖っ!!?…避けなかったら、”俺”があーなってたの!?)
「さて…今度は、”貴方”の番ですよぉー?…魔物さん♪」
○
二人の戦いから、少し経った頃の上空。戦いでは
翼を持つ者の主戦場たる場を、独特な駆動音を鳴らし
飛び回っているラクシィがいた。
「シャクラ君に言われて、アスキスやゼタ、突入部隊の人たちも
探しては居るけど…全く見つからないのは異常ねー」
ラクシィが乗っているものは遥か昔のある皇女が乗っていたと
される特殊なカラクリを今あるもので再現したものだった。
「このカラクリ…早く飛べるのは良いけど、その分…
燃料をかなり大量に消費するから、”移動用”には十分だけど
ゴオウ君にぶつけ…」
構想を練ろうとした時、海岸で戦う影を見つけた。
「なんだろ、あれ?…んーここから見えないね。行ってみるしかなさそう」
乗っているカラクリの高度を下げて、素早く向かっていった。
「全く…やっと捕まえられた…。」
ワーシュがため息まじりに言う目の前では
タコ足でグルグル巻きにされ、逆さ吊りに釣られている
ルクレツィアの姿があった。
「あやや…離していただけませんか?」
「誰が離すかッ!……周りを”こんなにする”お嬢ちゃんをよ!」
二人の周り、地面やその辺りの大きな岩に少し遠くにある
船の残骸といったものが全て半分か元の形をかろうじて残し
バッサリ斬られていた。
「とにかく、これ以上暴れさせる訳には行かないんだぜ」
「何してるのー!」
「ん?…だれ、だぁぁ!!!???」
空の方から、声がしワーシュは見上げるとカラクリで突進
してくるラクシィの姿があり、まさに飛び込む寸前
ワーシュはそのまま突進を受けてしまい、吹き飛ばされ
拘束していたタコ足の力も緩み、ルクレツィアも開放される。
「キミ、なんだかピンチだったけど…大丈夫だったかな?」
「助かりましたわ、飛んでいった殿方に訳も分からずに
捕まえられていたのです」
事情を説明していると、ワーシュが立ち上がってくる。
「イテテ…いきなり突撃とは、派手な事してくれるぜ…!」
「キミ、オイラ達と戦ってる太陰の一族の魔物君だよね?…
こんな所で何してるの?」
「ソイツは言えねぇな…」
「ふぅん。じゃあ、話してらえるように…キミには
オイラが”改良した新作”の実験に付き合ってもらおうかな?」
ラクシィが乗ってきたカラクリから何かを取り出す。
続く