これは蒼天のソウラの二次創作になります。
執筆者の独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が
苦手な方は注意が必要です。それでも良い方は進んでください。
ー本編ー
ラクシィが乗ってきたカラクリから何かを取り出す。
「な、何をする気だ?」
「元々、これは次…”ゴオウ君”とまた戦う時が来たら出す
予定だったけど…今はシャクラ君も情報が欲しいとは思うから…」
取り出した何かを使おうとした時、ワーシュの元に
焦った様子で、ホークマンとドラキー達がやってきた。
「わ、ワーシュ殿!!」
「どうしたぁ?…そんなに急いで…!こっちも立て込ん…」
「今すぐ戻ってきて下さい!…離宮に敵の大軍が迫っています!」
「はぁ!?…どういうこった、そいつは!」
「話は後で!…ライセン様があちらで道を開いております!」
ワーシュは促された方へ向かっていた。その状況を見ていた
ラクシィは
「こらー!勝手に話を進めないー!嫌でも実験につきあっ…」
何かしようとした時、その行動を阻むようにドラキー達が
同時に呪文を唱え、ドルマを撃ち出してきた。
撃ち出された玉は地面に当たり、その爆風で砂煙を巻き上げられた。
ラクシィとルクレツィアは砂を吸ってしまい咳き込む。
「よくやった!撤退!…撤退だぁー!」
ホークマンの声が響き、二人の咳が収まった頃には
周りには誰も居なくなっていた。
「あらら、逃してしまいましたね」
「うぐぅ…せっかくのチャンスだったのに…。」
「さてさて、ここからどうしましょうか…。」
「キミ、突入部隊の人かな?」
「ええ、そうですけど?」
「やっぱりね。ちょうど探していたんだ。あ、オイラは”ラクシィ”」
「”ルクレツィア”と言いますわ」
「そうだ、いま目的が無いんだったら一度オイラ達の拠点へ来ないかい?」
○
〜イシュナーグ離宮〜
突如として、ヴェリナード軍の大群が迫っている事が
分かった砦の中では、ゴオウを中心として、セリカ・シュナら
動ける者たちで戦いの準備が着々と進められ、防御柵の建造や
武器の調整に大砲のメンテナンスが急ピッチで行われていた。
宮殿の中のとある部屋。そこで大きな円卓があり
広い机には、イシュナーグ離宮の地図が広げられ
周辺の海には、いくつの人形と船の模型が置かれていた。
それらを囲み、マリクとイシュラースにライセン。
その周りでは、配下のリザードマンや伝達係のホークマンが
控えていた。
「偵察に出ていた者たちの報告では、旗の模様から
ヴェリナード軍の軍隊と艦隊だと思われます。」
「規模はどれくらいか?」
「おそらくですが…ほぼ全軍・ほぼ全艦隊が来ているかと…」
「ほぼ全戦力か…」
「殿下…何か思い当たる事がありますかな?」
「ライセン、我々が居る今のアストルティアで
これ程の戦力を投入出来る国はあるか?」
「むぅ…我らが旅をした限りでは…どこもそれほど
大規模な軍隊を持っているような様子はありませんでしたな…
もっとも…然るべき形で調査をしなければ、実際の所は
わかりかねますが…」
マリクとライセンが話し合う中、イシュラースは
地図を見ながら、小さくブツブツと何か言う。その声に
マリクは気づき
「父上…どうかしましたか?」
「!…いや、なんでもないよ。どこに戦力配分
すべきか考えていたんだ。」
「おお…!その事なのですが…殿下・陛下。
海上に関しては私とゴオウに全権お任せしてくだされますか?
…秘策がございます。」
「ほぅ…秘策の中身はどんなものかい?」
「いえ、内容は明かせませぬ…。それと申し訳ありませぬが
殿下・陛下には陸側に展開する敵軍をお任せしても、よろしいでしょうか?」
ライセンが言うと、マリクとイシュラースは
目を合わせて、少し間をおいた後
「うむ、分かった。海上の敵は任せるぞ」
「ありがとうございます!供として、セリカとシュナを就かせます」
○
イシュナーグ離宮 〜海側〜
会議が終わってからすぐの事。もう既に、小さくはあるが
いくつかの艦影が見え始め、自分たちに守りきれるか?
どうかといった不安感からか兵士たちの間に緊張と動揺が
渦巻いていた。
そこへライセンが到着する。その目には周りの兵士たちを
叱咤激励しながら、指示を出すゴオウの姿があった
「ゴオウ!進捗はどうだ?」
「あぁ?…おう!ライセンか!…全て”お前の言う”とおりに
しておいたぜ。良いのか…これで」
「うむ…これでよい。…よいのだ。若様とシュナには
例えこの後、何があろうとも今は少しでも
”親と共にいるの方が大切”だろう…。我らでは与えきれなかった
もの… …を得るにはな…」
「あぁ…そうだな。じゃあ俺たちも行くか…!」
続く