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天星の護りの手

アスカ

[アスカ]

キャラID
: FG906-006
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 旅芸人
レベル
: 133

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アスカの冒険日誌

2021-06-20 22:11:58.0 テーマ:その他

とある小さな三姉妹の物語 ~その3~

これは蒼天のソウラの二次創作になります。
執筆者の独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が
苦手な方は注意が必要です。それでも良い方は進んでください。
 
―本編―
 
マーテは手紙を持って島主の机から、ヤコミナの対面に座る。
 
「はーん…まだ”あの事件”を追いかけていたんかい…。」
 
「はい…。」
 
暗い雰囲気になる。その沈黙を破るように、ヤコミナは
持っていたカップを受け皿に戻し、追加の紅茶を注いだ。
 
「まぁいいさ。それよりも次、調査する時に…あんた達と
ここの衛兵さん達とで“あの魔物”を追い払ってくれるんだろう?」
 
「はい、うちの主人が来れば百人力ですよ!…ですが、本当に
申し訳ありませんでした。島の魔物たちがどんな状況か把握しきれていない
まま、”西の森にある遺跡の調査”を依頼してしまって…」
 
「そこは良いさね。…けど…“ちょっと急いだ方が良いかもねぇ”?」
 
ヤコミナは意味深に残るような言葉は放ちながら、再び
紅茶のカップを口へと運んでいった。
 
「はぁ…それはいったいどういう…?」
 


深夜、港町は静まり返り静寂が支配していた。月光が明るく
幻想的に大地を照らしており、手慣れた冒険者ならこの中でも
行動する事が可能かもしれない。
 
そんな時刻、西の森に向かって歩く3つの影があった。
「ふ、二人ともアタシから、離れないでね?」
「だだ、大丈夫…!」
「そ、そそそそ…そんな事言われなくても…離れないよー!」
若干ぎこちないがいつも通りのリルカ、夜の闇が少し怖いのか
震えるアスカとアスカの腕にピッタリくっ付くマイカ。三人は、
それぞれの武器と昼間に購入した薬草や食べ物を携えていた。
 
しばらく三人は、整地されて畑となっている道を歩き続け、
そろそろ畑と森の境に差し掛かった時、ムシャムシャと何かを
食べる音が聞こえ始めた。
 
「だ、誰か居る…!」
リルカが言い、三人はこっそりと畑の作物の間から覗くと
そこにはスライムやドラキー、シールドこぞう達が作物を
一心不乱に食い散らかしていた。
 
「ア、 アスカお姉ちゃん…魔物が農家さんが育てているもの…
食べているよー」
マイカは怖がりながら言う。アスカは、無言で息を飲みながら
じっと見つめていた。そんな時、後ろで誰かがリルカの肩をトントンする。
「しーぃ!今は動いちゃダメだ」
 
無言でさらに肩をトントンされる。リルカは答えず、
食い散らかす魔物を見続ける。が、なおもトントンされ
 
「もぅ!アスカ…大人しくしててよ。」

「え、リルカお姉ちゃん…私、動いてないよ?」

「ん?どういう事?…だってうしろで…」
 
と、リルカが振り返るとそこにはモーモン達がニコニコした
笑顔でふよふよ浮いていた。
 
「わああっ!モーモンがいっぱい!!」
リルカが驚き、アスカとマイカも振り返ってびっくりする。
三人の反応を見てか、モーモン達はお互いの顔を見合った後に
体を下に向ける。

「はわわわ…そういえば、モーモンって普段は可愛い笑顔だけど…」

「笑顔だけど何ッ!?」
 
ガオオオオオーン!!!と、マイカが告げる前にモーモン達の顔が
悪魔のような恐ろしい表情へと変貌し、一斉に飛びかかってきた。
 
「「「きゃああああああああッ!!!!」」」
 
三人は一目散に、森の方に向かって全力疾走して行く。

「モーモンは、あの怖い顔になった後…狙った獲物の血を吸うのーー!!」
マイカは泣きながら、大声で叫び解説する。お腹を空かせているのか
物凄い勢いで追いかけてくるモーモン達。

「嫌だよーー!血吸われたくないよぉーーー!」

「なんとか追い払わないと…!」

「あんないっぱい無理だよぉー!リルカお姉ちゃぁぁん!」

マイカが泣き叫ぶように言ってくる。どうしようもなく逃げ回っていると、
 
「ふせろ…!」
 
と、どこからか声をかけられると同時に風の刃のようなものが
モーモンたちに向かって飛んでくる。

三人は声に従い、速度を緩めその場に伏せる。風の刃は、
その上を通り抜け、モーモン達は驚いていたのか表情が元に戻り、
ちりじりになって刃から逃げていった。
 
「今の…なんだった?」
 
リルカが刃が飛んできた方を向くと、剣を納刀し歩いてくる
リザードマンがきている事にびっくりして、咄嗟に背中の大剣を
とろうとした。

続く
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