※この物語は、DQ10及び蒼天のソウラの二次創作です。
「待ちなさい!…そこは開けさせません!」
アスカは啖呵を切る。それに反応した獣人たちは
扉の破壊に回ってるものを残して、アスカに剣を向けられた。
「ここのヤローどもは、ぬるくて溜まらなかったぜ。
お嬢ちゃんは楽しませてくれるよなぁ?」
(くっ…数が多いッ!)
「やれやぁーーー!!」
リーダーが叫び、盗賊たちが飛びかかった時、
アスカの後方から火球が3発飛び出し、獣人たちを蹴散らす。
「大丈夫か?アスカ!」
「リルカお姉ちゃん!マイカ!」
「危なそうだったから、先手で撃たせてもらったよ!」
リーダーは悔しそうな顔をしながら、手下に
渇を入れて立ち上がらせる。
「へへ、やるじゃねえか。だが、まだ数は俺たちの方が上だ」
「ふふ、それはどうでしょうね?」
「へッ!…粋がれるのも今のうちだ!…今度こそ、やっちまえ!」
と、盗賊たちがなだれ込むように飛びかかって来た。アスカは
呪文の詠唱を始めるマイカの前に入り、リルカは拳を握りしめ、
その集団に割り込むように一匹ずつ倒していく。
アスカやマイカも持ち前の剣技や呪文で、盗賊を蹴散らす。
「どうやら大した事がなかったのは、あんた達だったみたいだな?」
リルカが言う。実際に扉の破壊に取り掛かっている手下と
リーダーを含めても数匹になっていた。
だが、リーダーは余裕を崩さずに
「邪魔が入るのは、はじめから計算済みよぉー!」
と言いながら、顔を上げ息を吸うと突然遠吠えをした。
何事かと三人は動けなかったが、直後に天井の穴や
車両の窓を突き破って盗賊たちがなだれ込んできた。
「援軍ッ!?」
「どうやって…!」
「気づいてないのか?…外からも貨物車に入ろうって
手下を大量に配置していたのよぉー。」
リーダーはガヤガヤ笑いながら長々と自慢話を話し続ける。
が、それを聞いているのかそうでないのか、リルカの肩に
マイカが捕まり、アスカは盾を自分頭上に構えて
「アスカ、頼む!」
「1発でお願いね!」
「あん?…なにし、おいっ!」
リーダーは三人の行動にあっけに取られ、リルカは
脇目も振らず駆け出すとアスカの盾を踏み台に天井に
開いた穴から、飛び上がっていった。
「ヒトが話している間に…勝手な事をしてくれたなぁ?」
「情報提供はありがたいですが、あなたのそのながぁ〜い話を
こちらが聞く義理はありませんよ?」
「くそ、コケにしやがって…一人になったからって
手加減はしねぇからな?」
「こちらも盗賊には容赦しません!」
○
列車の上に出た二人。襲われている貨物車の方を見ると
先程の比じゃない程に獣人達が集まっており、破壊工作を試みている
事が見て取れ、さらにはその周辺を守るように
ドラキーやらキメラやら鳥系の魔物たちの姿まであった。
「……リルカお姉ちゃん、金品や希少な素材を狙った単なる
列車襲撃にしては、盗賊団の規模がおかしいよ」
「あぁ、あたしも違和感を感じていた。大抵の事件や騒動は
魔法戦士団だけでは解決に近づく…。なのにアスカや
ロスウィード大佐まで動いている。」
「じゃあ、この襲撃には裏がある?」
「……あると思う。けど、それはおそらくもう
”手が打たれている”。だから、あたし達がするのは…」
「そうだね…これからする事は、乗客乗員の安全と…」
「「「”私たちの休日を守る事”!!」」」
続く