※この物語は、DQ10及び蒼天のソウラの二次創作です。
列車での戦闘から少し後、列車は無事にジュレットの町に
ある駅へとたどり着いた。アスカ達の活躍により、列車を
襲った獣人の盗賊団は、全員捕縛された。積まれていた
荷物も無事を確認され、ヴェリナード軍主導で事後処理が
始まろうとした。
「もぅ…今日のお出かけ…台無しだよぉ」
「まぁ、しょうがない。乗り合わせた不運を
呪うしか無いさ。」
マイカとリルカは、駅員と到着した兵士とで
持ち出される荷物と行き交う人の流れを眺めていた。
「二人ともー!」
と、アスカが声をかけながら走ってきた。リルカは
驚いた表情を見せながら
「お、おいアスカ、任務の方は良いのか?」
「大丈夫、お姉ちゃんとマイカの事も含めて、
ロスウィードさんに報告したら、後は任せて
休日を楽しんで来て良いって言われたの」
「おお!それはよかったな!」
「じゃあこれから、三人で行く予定だった
ジュレットのスイーツ屋さんにいこうよ!」
そう和気あいあいと話しながら、3人は
駅を後にしていったのだった。
そして、その後ろでは一人のオーガ女性が
微笑みながら、見つめていた。
○
バンデクス島。島主の館の執務室
「以上で、今回の報告はお終いです…マーテ奥様」
ユウナの報告をうんうんと今にも零れそうな笑みで
聞いているマーテ。
「ありがとうユウナさん。…ふふ、あの子たちも
いっぱい頑張ってるみたいね」
「はい、もう驚くほどにパテル様の所属していた
ヴェリナード軍では有名ですよ♪」
「でも島を発った最初の1年は、あの子たちの
誰一人として連絡が来なくて本当に心配で仕方ありませんでした」
「私がお屋敷での職務を外れて、様子を見に行ったのも
その少し後の頃でしたよね。」
「あの人”パテル”には、やるべき事がある以上頼れない。
あなたの報告で特にアスカの心がとても弱っていた事を知って、
なんとしても私が行かなくてはと思っていました」
そう話しながら、窓の方を見る。するとユウナは
自分の荷物から何か封書のようなものを1枚取り出し
「ですが、奥様のその行動を止めたのは”この方”の
手紙でしたね」
「ええ、あの頃のアスカにはもう”心強い味方”が居たんですよね」
マーテが受け取った手紙には、ヴェリナード軍で
使われている印章と裏に宛先のマーテの名前に
差出人とおぼしき位置に【R】とだけ刻まれていた。
おしまい