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天星の護りの手

アスカ

[アスカ]

キャラID
: FG906-006
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 魔剣士
レベル
: 132

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アスカの冒険日誌

2022-12-17 08:22:10.0 テーマ:その他

『三姉妹の物語〜絆のアカシ〜』 第6話

※蒼天のソウラの二次創作です。実際のキャラの
掛け合いなどに違いがあるかもしれません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「危ない噂?…マルモさん、何か知っていますか?」
「私も全てを知っているわけではありませんが、アスカさんが
関わった事件の後から、急にジュレット周辺の海域で頻繁に
魔物が目撃されて、船が襲われたとかそう言った噂ですね…」

それを聞いたアスカは、その時の戦いで追い詰めた
暗殺者が逃げる間際に放った言葉を思い出す。

「………”お前の顔を覚えた”…か」

目的を達成出来なかった事に対するアスカへの単なる恨み節か
次のターゲットとして自分や姉妹が狙う事を暗示したもののか?
その言葉が意味する所は分からなかった。

しかしアスカの心の中で、妙なざわめきがあるのも
確かだった。暗殺者が誰の依頼で魔物を連れ
やってきたのかは、まだ判明していない。それが
分からない限り、不安は拭えない。

「アスカさん?…何か心当たりでもあるのですか?」

神妙な面持ちで考えにふける彼女に、マルモが
心配そうに声をかける。

「あ、いえいえ”おそらく”関係の無い事です。それよりも
マルモさん明日か明後日には、また任務でレヴィヤルデは
出港するのですよね?」

アスカに言われた瞬間、マルモはハッと何かを思い出したように
「あーーそうでした!まだ色々とやるべき事があるんでした!
それではアスカさん、ゆっくり羽を伸ばして来てくださいね!」

そう言い残し、マルモは駆け足で部屋を後にしていった。
それを見送りアスカも探し物で散らかしたものを指定の場所に
しっかり戻して、部屋を綺麗にしてレヴィヤルデを降りて
いった。



〜ヴェリナード城 研究室〜

「ん〜これは…」

と、何かをじっと見ながらうなっているのは研究室の主である
リンドウ。彼女の前には”二対のリングピアス”が
容器のようなものに入れられて浮かんでいた。それは
マイカのもので、光を当てたりなどをし綿密な分析が行われていた。

「リンドウ先生…何か原因は判明しましたか?」
その様子を心配そうに見ながら、質問する。
一通りの分析を終えたのか容器から丁寧にピアスを取り出す。

「原因の根っことなる箇所は分からなかったが、不調状況と
分析にかけたピアスの状態から見て仮説を立てるのなら
”要求した機能”に対してベースとなる”ピアス”が持つ容量を
越してしまい、不具合が起きてしまった…と言う所か」

「そ、そんなぁ…。うぅ…」

リンドウの言葉を聞いて、今回の改良が悪い方に出てしまった事が
分かり、マイカはその場に座り込むようにして落ち込んでしまう。

その様子を見たリンドウは、棚の方へ歩いていき
指を滑らせながら多種多様な瓶や本を探すように目で追っていく。

「そう落ち込むな研究や改良には、えてして失敗はつきものだ。
だが、今回のような用途で使っていくなら…」

話しながらリンドウは何かの瓶を見つけ、それを持って
マイカの所へ戻ってきた。そして瓶とリングピアスを
セットで見せながら

「この材料の瓶の材料を使って、”君たちのピアス”自体を
用途に耐えられるように、強化するのはどうだ?」

マイカは瓶の中身を見た。その中にはキラキラ光った砂に
同じ様に輝く鉱石が混ざったものだった。

「先生、こ…これは?」

「別の実験で使う予定だった素材の一部だ。これを使えば
強化は十分に果たせるはずだ…持っていくと良い。」

「え!…これで!?……私に出来るかな?」

と、まだ自信なさげなマイカにリンドウは、預かっていた
リングピアスをマイカの手を引いて渡す

「そもそもこの”証(リングピアス)”は…マイカ。君が作ったものだろう?
もっと自分で作ったものには、自信を持たなくてはいけない。君たち
”バンデ・ヒルフェ三姉妹”しか持っていない特別なものだからこそ…な」

自分で作ったもの、島でずっと過ごしてきた家族ではあったけど、
種族がそれぞれ違う二人の姉のためにその絆の繋がりを確かなものに
するために、覚えた知識を生かして一生懸命作ったアクセサリー
であり、二人の姉との「絆の証」。

先生と慕うリンドウのその言葉に俯いていたマイカの顔は上がり、
徐々に輝いて行く。そして材料とリングピアスをその手に改めて
しっかり握り直すと、すぐに立ち上がる。

「リンドウ先生!ありがとうございます!
頂いた材料で、頑張って強化してみます!」

そう言って、お辞儀をしたのちマイカは足早に研究室を
後にしていった。その背中を見届けたリンドウの顔にも
笑顔が溢れていた。

続く
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