※蒼天のソウラの二次創作です。実際のキャラの
掛け合いなどに違いがあるかもしれません。
あと長らくお待たせしました!
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マリク達がその場を後にしてから少しした頃
「ヴェリナード軍です!…神妙におとなしくしなさい!」
アスカが、部下二人を連れて、アジトに勇ましく
乗り込んで来た。が、彼女たちの目に写ったのは、
粛々と傭兵たちを縛り上げているロスウィードの姿だった。
「遅かったじゃないか、アスカ」
と、笑顔で出迎えてくる。あまりの状況に理解が
追いつかないアスカは、言葉が出ず口をパクパク
させていた。
「ろ、ろ…ロスウィード!…これは一体どういう
状況ですか!?」
「見れば分かるじゃないか…”事件解決”だよ」
「そうじゃなくて…件の傭兵団を一人で壊滅させたんですか?」
「いや、ちょっと利害が一致した”現地協力者”が居てね…
その人たちと一緒にやったんだ」
歯切れの悪いその言葉に、何かを感じたアスカは
ロスウィードの捕縛作業を交代するように
付いてきた二人に指示をした後に、
気づかないように、少し離れた所まで行き、
小さな声で
「”現地協力者”って、誰なんですか?」
「……魔公子殿だ」
「えええええ!?」
予想外の回答に思わず、声を上げてしまう。
対応にあたっていた兵士たちも彼女の声に
振り返ってしまう。
「ど、どうされたのですか?少佐」
「い、いやぁ〜なんでもないよ。君たちは
傭兵団を連行する準備を続けてくれ」
ロスウィードが急いで、話題を逸らすと
混乱したような表情を浮かべながらアスカは迫ってきて、
「な、なんでそんな人達がここに来ていたんですか?」
「こ…こら、大きな声を出すんじゃない。なんで
居たかはこっちが聞く前に去っていったよ」
そう聞いたアスカは、ため息をつき身につけていた
バックからメモを取り出した。
「とりあえず帰ったら報告書を書かなくてはいけませんし
えーと…”太陰の一族の関係者”と事件をかいけ…」
「待てアスカ、そのまま書いて出すのか?」
「え、ええ…そうですが…あ!」
「うん、それは控えておくんだ…まだまだ魔族と言うだけで
ヴェリナード軍でも身構える人は居るんだ。」
「……では、なんて書いておけば良いでしょうか?」
アスカが問うと、ロスウィードは笑みを浮かべると
「そうだな…” ”と報告書には書いてくれ」
☆
ジュレットの町での騒動から、しばらく経ち
傭兵団のリーダーと部下たちは牢獄へ収監。
猫島の集落襲撃にあわや加担しかけていた住民たちも
町長さんの方が奔走し、お咎めを無しにする代わりに
町でゴミ拾いや清掃などの奉仕活動をしばらく行うと
言う事で落ち着き、今回の騒動は無事に収束した。
でも一歩間違えば、また大きな戦いがこのウェナ諸島で
起こっていたのかもしれない…私はそう思った。
ソウラさん達が尽力して勝ち取った”今”を、これからを
今度は私やその周りの人たちの力や知恵を出し合って
協力して守っていかないと…真面目すぎるかな?
そういえば、ついこないだの手紙で、
リルカお姉ちゃんが任務先のアズランで
”ソウラさん達が駅で大量のお土産を買い込んで、
町を旅立っていた所を見た”
って書いてあったけど…いま何をしてるんだろう?
また大きな戦いに巻き込まれてないと良いなぁ…
あーでも大丈夫かなあの人たちなら♪
今は、まだ終わってない「戦後の処理」を終わらせる
のが私の大事なお仕事”クエスト”だね。
あぁ〜でも…そろそろ”休暇”も欲しいかな。島に帰って
お養母さん達になんかちょっと会いたくなってきちゃったかも
今回の事が落ち着いたら休暇申請を
今度ロスウィードにお願いしようかな?
〜おしまい〜