※蒼天のソウラの二次創作です。実際のキャラの
掛け合いなどに違いがあるかもしれません。
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「ぐぎゃあああッ!!」
アスカの流れるような攻撃を受けたドーターは
バチバチと、電撃の余韻を残し項垂れた。
ボロボロの姿になった相手が動きを見せない事に
怪しみながらもアスカは、
「さて、もうあなたは動けない様ですね?…
これ以上私からの攻撃を受けたくないのなら…
自警団の皆様を解放しなさい!」
と、警告した。その言葉を聞いたドーター
項垂れたままだったが、またクスクスと不気味に
笑い出す。
「解放?…ご冗談を、貴女はどう思って
”自分が優位に立っている”と思っているのかしら?」
「…何を言っているの…?」
「…そんな攻撃で、私が止まるとお思いなら、とんだ
お笑いものですわ!」
上体を起こすと、両腕を天高く掲げる。すると、
突然捕まっている兵士たちから悲鳴が聞こえる。
それに呼応するように、檻が不気味な緑色に光り
粒子となって吹き出しドーターへ集まっていく。
「!…皆さん!どうされたのですか…!?」
「……あ、アスカ…お嬢様、う、後ろォ…!!」
兵士の一人が、絞り出した様に出した声に
咄嗟に振り返ると、ドーターが左手を振りかざして
力強くアスカの背中をはたいた。
「グッ…!!」
宙を舞うアスカ。はたかれた事で生じた衝撃と全身に
走る痛みが彼女の中に渦巻く。それに耐えながら、姿勢を
なんとか立て直し、ギリギリで着地する。呼吸を整え、
今の状況を確認する。
(何が起きたの?…捕まっている兵士のみんなが倒れている…?)
「ふふ、何が起きたか…分からない様子ですわね?」
ドーターが姿を現し、それを見たアスカは驚愕する!…
先ほど彼女がドーターへ与えた攻撃の痕が全て消えていたのだ。
「さっきの粒子…!まさか…貴女!」
アスカは目の前の魔物が回復した理由を察した。
「ご明察の通り…さて、第2幕を始めましょうか…!」
(今は…ドーターを倒すよりも”兵士さん達を助けなきゃ”!
みんな……じゃう!)
☆
〜時は、アスカ達とろうごくドーターの戦いから少し遡る〜
リルカは、大広場でアスカと分かれて、東の広場へと
入っていた。広場では、多数の魔物とヴェリナード軍の
駐留部隊がせめぎ合っていた。
しかし数を減らしても、何処かから魔物が湧いて出てきており、
いつ広場が魔物たちに乗っ取られてもおかしくない状況になりつつあった。
「数が多い…!まずは、出処の魔物を叩かないといけないな!」
そうリルカが言った時、ガゴンッ!と鐘が落ちるような音がなり
視線をそこへ向けると、ドワーフの女性…”エミカ”が
自身の剣を地面から引き抜く姿が見て取れた。
「エミカさん…!」
「おう!来たかッ!」
二人がそのまま合流し、敵を退けながらこれまでの戦況
と島の防衛に関わる情報交換をした。
「…と、言うわけですまない…奴らのペースに飲まれて、ここまで
ヴェリナード軍と一緒に押されて来ちまったんだ」
「いえ、ここまで持ちこたえてくれて…助かりました。
…押し返しましょう!」
リルカとエミカは別々に分かれ、軍の兵士たちと共に広場に
残る魔物たちを制圧していった。次々と魔物たちが
倒され、広場の勢力をリルカ達が握っていく最中
上空から分析するものが2機。
1つ目の赤い眼光を光らせながら、
「ピピッ…!戦力低下…敵戦力情報…コウシン!作戦目標
…ヘンコウ!情報共有!」
「ターゲットヲ…排除シマス!」
そう言うと、2機はその体を翻し、リルカ達が居る広場へ
轟音を鳴らし、高速で飛び出していった。
高速で動く存在を最初に捉えたのは、ヴェリナード軍の
兵士の一人だった。
「なんだ…!あれは!」
そう指を指して言うと、リルカ達の目の前に砂煙を
巻き上げながら、着地した。
丸みを帯びたフォルムに、赤紫色に塗装されたボディ。
右手にトゲトゲのメイス、左手に巨大な剣持った機械型の
モンスターが2機が煙の中から姿を現した。
「”キラーマシン2”型の魔物…!?なんでこんな所にいるんだ?」
エミカは驚愕する。その声に反応したのか、2機の
1つ目がジロリと睨みつけるように動く。
「本機ハ”特攻隊長メガース type-R1”。新タナ主タル…
”フィア様”ノ命令デ、R2と共に動イテイル」
「円滑ナ、作戦遂行ノ障害トナル オ前タチヲ…」
「「コレヨリ 殲滅スル!!」」
そう高らかに宣告すると、激しい駆動音を響かせ
2機は同時に動き出し、リルカ達に襲いかかってきた!
〜続く〜