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天星の護りの手

アスカ

[アスカ]

キャラID
: FG906-006
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 魔剣士
レベル
: 132

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アスカの冒険日誌

2024-07-28 18:09:34.0 テーマ:その他

『三姉妹の物語〜絆のアカシ〜』 第30話

※蒼天のソウラの二次創作です。実際のキャラの
掛け合いなどに違いがあるかもしれません。

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《これから説明する機能が”稼働してない”!!》

《稼働してないって…使えないのか?》

目の前に居なかったとしても、マイカの声から
焦りが伝わってきた。リルカとエミカは落ち着くように
促しながら、どういう風になるはずだったのかを聞いた。

《……実は完成と同時に使える想定だったけど…ピアスが出来た時に、
敵が攻めてきたし、屋敷に帰ってきたアスカお姉ちゃんが
すぐ前線に行くって調整中に言うから、早く渡す為に細かく
チェック出来てなかったの…どうしよう!!》

と、話している内にマイカの声はまた狼狽えた様になってしまう。

《状況は分かったから、とにかく落ち着け…!まずは、どうしたら
使えるか考えるんだ!》

《とりあえず、アタイ達もこのままぜんし…!》

と、エミカの思念通信が突然途切れた。

《な、何…!?》

エミカと同じ現場にいるリルカは、通信を一時的に切り
何が起きたかを確認すると

《…マイカ、緊急事態が起きた。あたしも今から通信できなくなるかも
しれない!…後は一人でなん…!》

最後まで言葉を紡ぐ前に、ブチッ!とリルカの思念通信も切れてしまった。

「え?…お姉ちゃん?…どういう事!?リルカお姉ちゃん!!」

大広場にマイカの声がこだました…










「イタタ…悠長に話していたら、まさかね…」

リルカは自分の身体に走った痛みに耐えながら、体を起こし
最初に自分の状態を確認する。通信中だったとは言え、無意識に
防御をしたのか、左手首の腕帯とその上辺りの衣服の布が破れていた。

そこで改めて周りの状況を把握する。一緒に戦っていた軍の兵士たちは
ほぼ全員が既に倒れ伏しており、リルカとエミカ以外の戦力が瓦解していた。
自分よりも先に敵からの攻撃を受けたと思われるエミカも、自身に
回復呪文をかけて、剣を杖に立ち上がろうとしていた。

「リ…リルカ、だ、大丈夫か?」

荒い呼吸をし、ひねり出すような声で、エミカが呼びかけてくる。
敵からの攻撃がかなりのものだった模様で、右肩に身に付けていた
防具の一部とその下の布地が喪失していた。

「…大丈夫です。それよりも」

リルカは正面を見据えた。そこには太いムチを、左手でゆらゆら
振りながら、立つ魔物の姿があった。

「おやおや…結構、強めにやったつもりでしたのに
なかなか根性があるようでよかったわ…」

「だ、誰だ…!お前は!」

「ヌフフ…私は”誘殺参謀リランザ”、この島を”私たちのもの”に
する為に来たのよ♪」

リライザは、妖しい笑みと笑い声でエミカの問いに答えた。
さらに続けて

「この島には、フィア姉さんの仕事の邪魔をした”小娘”が
居るらしいじゃない?…だから、ソイツに仕返しとついでに
私たちの活動拠点も手に入れようって言う訳♪」

「やっぱりか…」とエミカは呟く。先程の予想が的中していた事に
喜びたい気持ちもあったが、何か次善策を練る前にリランザが
制圧した広場へ足早に乗り込んできたのが予想外だった。

「そういえば、この子たちを壊したの誰かな?」
リランザは、黒焦げになったメガース2機を指差した。

「それなら、あたし達が壊したよ」

「ふぅ〜ん、お前達が壊したの…」

リランザが物思いにふける姿を見せた時、ムチを遊ばせていた
左手が一瞬動いたように見えた瞬間、

「ガハッ…!!」

ピシャンッ!とムチの乾いた音と同時にエミカは、何が起こったのか
分からない表情を浮かべながら突然、吹き飛ぶ。

「エミカさんッ!…いったい何がおきっ…!!」

未だに興味はメガースの残骸に行っているが、再びリランザの
左手が動く。その瞬間、リルカの目が何かの動きを捉え、反射的に
彼女は太刀を抜いた。すると、刀身で何かを受け止めた感触と
音が伝わった。

が、その反動を緩和しきれずにリルカは後ろに押し込まれた。

(うぐっ!?ムチで打たれたのか?…一瞬、ムチがしなったように
見えた気がして動けたけど、束ねられたままにしか見えなかった…!)

「あら、反応出来るんだ?…凄いねぇ…」

いままでメガースの残骸に目をやっていたリランザは、邪魔者を
追い払う様に繰り出していた自分の攻撃を防いだ事に対して
興味が湧いたのか不敵な笑いを浮かべながら、リルカの方を見た。

「”アストルティア”に戻ってきてから、そう時間は経ってないけど…
強者はちゃんといるものね♪」

そう嬉々として話すとリランザは、自分の持つ鞭を
ピシャンッ!と地面に叩きつけて打ち鳴らす。

「ヌフフ、私に貴女の絶望と苦しみに歪む顔…見せて頂戴!」

〜続く〜
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