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天星の護りの手

アスカ

[アスカ]

キャラID
: FG906-006
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 魔剣士
レベル
: 132

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アスカの冒険日誌

2024-08-31 21:36:04.0 テーマ:その他

『三姉妹の物語〜絆のアカシ〜』 第32話

※蒼天のソウラの二次創作です。実際のキャラの
掛け合いなどに違いがあるかもしれません。

ーーーーーー

場所は反対側のルートの”リルカ”。

「ほらほら!…もっとあがいてみなさいよ!」

リランザの猛攻は留まる所を知らない。目にも止まらない
ムチの攻撃が何度もリルカを襲う。太刀で受け流す事も
出来ているが、彼女の体に痛みが走る回数の方が多かった。

ダメージが徐々に蓄積し、徐々に余裕が無くなり
呼吸も荒くなっていた。

「アハハッ!アタシのムチに打たれ続けて、今も
立っていられた相手は、あなたが初めてね♪…それとも
”やせがまん”なのかなぁ?」

自身の優勢が揺らぐことが無いと、実感したのか
リランザはわざと攻撃の手を休め、リルカを見下す様に嘲笑う。

「……別に…”やせがまん”なんかしてないよ。
それに、ここで負ける気はサラサラない!!」

と、声を張り上げた時、全身に走る痛みに、リルカは
一瞬よろけそうになる。その状態を見て、もう虚言を吐けるほど、
自分の体力に余裕が無い事。仮に隙を見て、自分に回復呪文を
かけたとしても、焼け石に水になる可能性であると、悟ってしまった。

(ーーー自分の体力が尽きて、目の前の相手をマイカが守る
   大広場に行かせてしまうのか)

(ーーーいや、それをさせる訳には行かない。今、自分がここを
   死守しなくて誰が守れるのか?)

リルカは、自分の中に一瞬生まれた”弱気な思考”を
すぐに振り払った。そして、太刀をもう一度強く握り直し
構えた。その闘志が宿った鋭い瞳は、リランザを睨んでいた。

「ふふ、一瞬よろけた様に見えたけど…見間違えみたいね♪」

そう笑っているのを見て、大きく息を吸った後に、
リルカは強く前へ踏み出した。

「あら…特攻?じゃあ、返り討ちにしてあげる…!」

リランザはムチを打ちならし、攻撃を仕掛けた。

刹那!…リルカは、打ち込まれたムチを刃の腹で受け流し
その軌道を逸らした。

「ウソッ!?」

自身の攻撃を受け流された事に驚きを隠せないリランザ。
その生まれた隙をリルカは見逃さずに、左手を握りしめて
腰だめに構えた。

自分と相手の間合い、軌道をずらされたムチによる反撃は
繰り出したムチを戻さなければすぐに出来ない。リルカは
確実に当てれれる!…そう思った時





「………なぁんてね♪」





と、リランザの表情は驚愕したものから不敵な笑みへと変わった。
同時にリルカの握った拳は、リランザの空いた手で受け止められ、
それを軸に後ろに勢いをそのままに、投げられてしまう。

それにリルカは対応出来ず、受け身もとれないまま地面に
転がってしまう。

「ぐっ…!」

「目論見はよかったわ♪…ただ、ムチも使えない接近戦に
持ち込めば勝てるなんて思わないで頂戴でね。……でも
まぁ、そろそろ終わりにしてあげるわ♪」

その言葉を聞いて、リルカは直ぐ様立ち上がった。そして目にしてしまう。
リランザの空いていた手に”ムチがもう一つ”持たれている事に、
どこから出したのか?と疑問に思った瞬間、そこで気づいてしまった。

今まで、目に見えない速さで攻撃を受けてしまう理由とその実態を

(コイツ…二刀りゅ…!!)

思考を巡らせようとした時、相手の攻撃が始まった。


            ピシャーン!!!!!!


(”目”でムチが動くのを見たはずなのに、”耳”で音を聞いたのに…
そしてそれを踏まえて身構えたはずなのに、なんであたしの体に
”痛みが走る”の!?)

「……ぐっ!わあああああっ……!!」

あまりの激痛に、リルカは思わず声をあげてしまう。


(疾い…!そして物凄く重い…!!)


「フフフッ!どうしたのかな?…さっきの威勢を
 もう一度アタシに見せなさいよ!」


動く瞬間を見て、防御をしているはずなのに体に痛みが走り、
後から音がやって来る。見て・聞いた情報と自分の
今の状況が一致しない。

当事者のリルカからすれば、異常とも言うべき
魔人のムチさばきに防御の構えを解く事が出来ない。

否……解いてしまった時、それは彼女の”敗北”を意味するからだ。


(ーーー今のままじゃアイツの攻撃を抑えきれない!!)


(ーーーー足りないッ!”速さ”が!)


(ーーーマイカ…急いでくれッ!!)


最後の希望の鍵を握る妹に、リルカは全てを賭け
この猛攻に耐える事を選んだのだった。











「よし…ピアス自体には問題は無い」

マイカは言う。時間が無い中で、マーテと共に確認を
した結果、ピアス自体が正常に動いている事が分かった。

「この様子だと…本当に調整の段階で、マイカちゃんが
使いたい………機能の切り替えが出来てなかったようね」

〜続く〜
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