※蒼天のソウラの二次創作です。実際のキャラの
掛け合いなどに違いがあるかもしれません。
ーー
「……さぁ絶望への1手よ!!壊れちゃいなさい!」
そう高らかに言い放つと、火球を大広場の左、右と
それぞれ家屋を狙って投げつけた!
「……”ブーストショット”!」
順々に打ち出された火球が、一直線に放たれた火線に
貫かれ霧散した。突然の事に、フィアは驚き
自身の火球を打ち壊した相手の姿をキョロキョロと探す。
すると今度は、炎の球がいくつも連続で、フィアに
向かって飛んできた。
「危なっ!」
フィアは、自身の駆る球体を巧みに操り、飛んできた球を
スルスルと避けていった。
「……ようやく、主力の出番ねぇ…ンフフフ」
見下す様な視線と笑いをしながら、見据えるその先には
屋敷を守る防護結界と、戦闘態勢に入っていたマイカの
姿があった。
(間一髪…!まさか大広場の左右の道を塞ごうとするなんて
思わなかった…!)
と思いながら、大広場の戦況を確認する。現在、両陣営は
お互いの戦力を少しずつ削りながらも拮抗しており、
今の様に、フィアが戦況に介入すると一瞬で崩されてしまう
危うい状態だった。
(あの玉に乗って浮いている魔物がこの軍隊の大将格かな…。
このまま撃ち合って引き付けても良いけど、相手が
乗ってくれないと、無駄打ちになるかな…)
マイカは少し考えた後に、追いついてきたユウナに
「ユウナさん、兵士さん達に大将格と思われる魔物は
私が相手をすると伝えて下さい。」
「え!?…マイカお嬢様一人、でですか?」
「大丈夫。お姉ちゃん達が戻ってくるまでの繋ぎ
で、頑張るだけだよ」
「……分かりました。危ない時は遠慮なく援護を
申し付けて下さいね…!」
「わかった!…行って来ます!」
そうやり取りをして、マイカは前線へと飛び出して
いった。
その様子を見た魔物たちは、直ぐ様その道行きを
阻むように立ちふさがった。
「ここから先は、いかせないぞッ!」
マイカは、腰のポーチに左手を入れると指と指の間に
挟んだ状態で3つの小さな鉱石を取り出し、念じた後に
立ちふさがった魔物に向かって投げつけた。
「なんだぁ?…小石なんか投げて、目くらましのつもりかぁ?」
「そこをどかないと…”どうなっても知らないよ”」
マイカが言った時、魔物達の目の前で3つの鉱石が
突然、光を放つ。
「へ?…何がッ…!」
ドカーーンッ!!
爆発した。それは小さな鉱石から出るとは思えないもので、
魔物たちの悲鳴もその爆音でかき消されるほどのものだった。
「……”ブレイズ・ボム”…想定通りの威力ね♪」
「あ、あの小娘…こっちの味方を”吹き飛ばした”…だと!?」
「何を怖がってるのかなぁ〜?…追加は”いっぱい”あるから
どんどん来ても構わないよ?」
マイカの挑発に、魔物たちも構わずに突入していくが
後方から、ユウナの掛け声で大砲による砲撃が飛び、衝撃に
よって吹き飛ばされていく。
そして兵士たちが、マイカの前に割って入り
「話は、ユウナ殿から伺っております。先を急いでください!」
「ありがとうございます!お気をつけて!」
援護を受け、前進して行く。フィアは、食い止められる事なく
進軍してくるマイカの様子を見て、周りの魔物たちを再びけしかけるが
またポーチから鉱石を取り出したのち、念じ投げつけて、爆破され
退けてられてしまい、マイカはフィアの前に躍り出た。
「……ふ〜ん、なかなかやるじゃない?でも、あなた一人で
何が出来るのかしら?」
「何って…”あなたを止める為”だよ!」
臆することなく、マイカから言い放たれた言葉に
不意を突かれたフィアは一瞬だけキョトンとしてしまうが、
すぐに自身の口元を押さえながら笑い始める。
「ククッ…アハハハッ!!……あなたが私を止める?この状況で
頭がおかしくなったのかな?」
「別に?…本当に”そう言ってるん”だけど?」
と、自信に満ちたその言葉に、フィアの笑いがピタッと止んだ。
「………夢だけ語る物語も、そこまで来ればムカッと来るわ…。
……いいわ、潰してあげる…その夢物語!!」
フィアは、右手を自分の前に据えると、炎を帯びた
「跡形もなく燃やして…あげる!」
手から、炎の塊が壁のようになって吹き出してきた。
マイカは吹かれてきた炎の軌道を読みに、左へ飛ぶ。
フィアはそのまま右手を動かしながら、炎の壁で追尾し
「追加よッ!」
今度は左手の杖を振り、逃げ先に向かって火球を打ち出してきた。
それに走る速度を緩めずに、マイカは杖を突き出し、
「”メラミ”ッ!!」
フィアの打った火球に当てて相殺させた。
「へぇ〜…言うだけの事あるじゃない?」
〜続く〜