※蒼天のソウラの二次創作です。実際のキャラの
掛け合いなどに違いがあるかもしれません。
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(クフフ…そうよね?”貴女は逃げれない”…逃げてしまえば、
後ろのお仲間に被害が出る。さて、どうするのかな?)
フィアは、マイカがどんな反撃をするか楽しみに
しているものの、もはや全てを自身の力でねじ伏せて
破壊するつもりであった。
一方のマイカもなんとか最善手を導き出そうとしたものの、
もはや彼女に選択の余地が残されては居なかった。
(逃げたらダメッ!受け止めるしか無い!)
「”クイック&マジックブースト(瞬間早詠み&魔力かくせい)”!!」
そう言い放った時、マイカの両目が薄く淡いピンク色の光が宿り
体が、青白く光を帯びた。
「”ツインスペル(早詠み二重詠唱)” マジックバリア!」
目の前に、紫の壁が二重でかつ大きく同時に展開される。
「”クイックオーバースペル(早詠み倍化詠唱)” ヒャダルコ!」
唱えつつ、メラゾストームを防いだ時と地面に向かって
同じ様に氷の壁を作り出す。しかしそれは先程よりも大きく
分厚いものだった。
(間に合った…!これで…!)
ひとしきに詠唱と展開を終えて、マイカの目と体に
帯びていた光が消えた。
「クフフ…!急ごしらえの対策ね…!けど、何をしても無駄よ!
全部焼き切って…壊してあげるわ!」
そして灼熱の塊は、フィアに臨界に達した事を知らせた。
「貴女の命ごと…燃えちゃえッ!”ギラグレイド”ォ!!」
両手を突き出すと、灼熱の塊は石畳の地面を抉りながら
吹き出しつつ、マイカの元へ一直線に進む。
まずマジックバリアで展開された紫の壁に、灼熱がぶつかる!
しかし、フィアの強い魔力で織りなすあまりの高温と勢いに
ほんの一瞬だけしか耐える事が出来ずに、音を立てて2枚とも
吹き飛んでしまう。
(バリアが…ほとんど効力発揮してない!?)
驚愕するが、分厚く本来よりも強く魔力を込めて生成した
ヒャダルコの氷の壁に、ギラグレイドがぶつかる。先程よりも
耐えているが、高温で氷が瞬く間に溶けていく。
(嘘…!このままじゃもたない…!…次をッ!)
マイカは追加で壁を作ろうとするが、直後に氷の壁は
灼熱に突き破られてしまい、彼女を襲った!
「きゃああああああッ!!!」
マイカは灼熱に焼かれ、押し出される様に後ろに吹き飛ぶ!
さらに”ギラグレイド”の灼熱の炎は後ろで大砲を使い、戦っていた
兵士たちも襲い、破壊音と悲鳴が大広場一帯に響き渡った。
「アーハハハハッ!…燃えろ!…壊れろ!恐怖におののけ!
お前たちの島は、もうすぐ私達のモノになるの!!」
フィアは、壊滅していく町の姿を見て狂喜に満ちた
笑いを上げていた。
「…”メラミ”!」
勝利を確信していた魔女に、火球が飛んでいく!そして
それはフィアが乗っていた大玉に当たり、バランスを崩して
地面に転げ落ちてしまう。
「…イタッ!……誰よ!私がご機嫌な気持ちに水を差す奴は!」
火球が飛んできた方を見ると、短い間隔で息を何度も吐いては
吸ってを繰り返しているマイカが居た。
紫の光が彼女の周りを覆っており、先程の攻撃を”マジックバリア”で
軽減した事が伺えるが、服の各所が燃えた跡があり、傷ついた姿に
なっていた。
「…まだ、おわらせない!……かかってこい!」
「ふぅ〜ん、存外しぶといのね。じゃあ…今度こそ
終わらせてあげる」
フィアの手に、炎が集まり業炎の球が出来上がる。マイカも
負けじと、構えようとするがダメージが大きくよろけてしまい
杖にもたれかかるような状態になってしまう。
(ダメだ…体が言う事聞かない…!このままじゃ…!)
「何も出来ない様ね。それじゃ、潔く…燃え尽きなさい」
フィアは、悪魔ような笑みを浮かべたあと
業炎の球が撃ち出した!
マイカはその球から逃れようとするが、足が
もつれてしまいその場で転んでしまう。
(もう…ダメ…!)
「”守りなさい!”」
〜続く〜