悪魔道化師ゲイザー。
お前にこれから、“現代の旅芸人”を見せてやる……!
戦いのビートを奏でる。
一瞬で自身にバイキルトがかかり、氷結らんげきでラッシュをかける。
ゲイザーの体力は凄まじい勢いで削られていく。
「なんだ! その技、そのチカラは 一体……!」
よろめき、後ずさるゲイザー。
奴が戸惑うのも無理はなかった。
今でこそ当然となった“戦いのビート”
一瞬でパーティの物理火力を最大限に押し上げる、
新しい旅芸人の代名詞。
それまでの旅芸人は、前衛火力2人にバイシオンをかけるだけでも
実に4ターンの時間を必要とした。
自分にバイシオンをかけるのはその後だ。
そしてその頃に前衛が傷つき、倒れていれば
ザオラルやハッスルダンスをかけなければならない。
しかし、そんな“常識”を、戦いのビートは根底から変えてしまった。
ビートの直後から、旅芸人自身もまた、最大火力で攻撃が可能になる!
そして、この戦いの目的。
それは――
曲芸スキル“ボケ”を成功させてゲイザーを倒すこと。
ポルファン師匠からそう言われていた。
――なぜ?
今の僕に、それが分からないはずがない。
「いくぞ、ゲイザー!」
ボケの技巧の宝珠は、今やレベルMAXに輝いている!
どっかん!
爆発的な笑いがゲイザーに襲いかかる!
ゲイザーは倒れ伏して笑い転げている。
僕はいま、ゲイザーに“芸”を思い出させる……!
……ポルファン師匠。
あなたが最初に与えてくれた試練は、
きっと、この時のためにあったんだ……!
僕のテンションはぐんぐんと上がっていく――!
(第11章に続く)
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