ボケ。
旅芸人の曲芸スキル4ポイントで習得できる、まさに原点の特技。
敵を行動不能にし、同時にテンションアップもできるが……
反面、笑いが通用する敵は限られている。
だが、ゲイザーは旅芸人だ。
“笑い”に鈍感なヤツが、旅芸人など志すはずがない……!
ゲイザーは間もなく呼吸を整え、立ち上がる。
だが僕のボケはそこで終わらない。立て続けにボケを使い続け、そして、
スーパーハイテンションに。
「これが、旅芸人の――」
「――最大火力だ!!」
奥義・棍閃殺。
旅芸人の単発最強火力。
最高潮のテンションを乗せて繰り出されるそれは、2000を超えるダメージを与えゲイザーの体力を奪いきり――
「……何だよそれ。そんな技が旅芸人にあるなんて、
オレは、知らないぞ……」
だが、まだゲイザーは倒れていなかった。
ふらつく足で、それでも目には戦意が灯っている。
「くそっ! くそっくそっ!
オレは、旅芸人を 皆殺しにするんだ!
こんな所で……」
『なはは。ゲイザーよお、おめえさん、ダンスは得意だけどジャグリングはちーっとも上手くなんねえなあ』
『ちぇっ……なんだよ師匠。ジャグリングが下手でも、人を笑わせてやることはできるじゃねえか』
『ちっちっち。それじゃダメなんだなあ。旅芸人としてできることは何でもやらねえと。苦手だからって逃げ出してたら、おめえさん、いつか笑えなくなっちまうぜえ。おめえさんが笑えねえと、人を笑わせることだって、できないよお』
『オレが……笑えないと……』
『いいかあ? ジャグリングってのはなあ、こうやって……』
「終われるかーーーーーっ!!」
その時。
ゲイザーが繰り出した技、それは…
「キラージャグリング……!」
(第12章へ続く)
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