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孤独の闇芸人

ホーリン

[ホーリン]

キャラID
: TG682-832
種 族
: エルフ
性 別
: 男
職 業
: 旅芸人
レベル
: 111

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ホーリンの冒険日誌

2017-05-07 21:54:32.0 2017-05-08 22:06:53.0テーマ:シナリオ・クエスト攻略

伝説の旅芸人への道2017 闇芸人・決戦編 ~最終章~


 ……あれから、しばらくの時が過ぎた。
 日々は慌ただしく流れていく。

 ポルファン師匠に報告をすると、
 彼は予想どおりの言葉を僕にくれた。


『ホーリン。オイラに、いつか見せてなあ。
 笑いの極みにたどり着いたバカの芸をよお。
 それができたら、伝説の旅芸人と呼ばれるぜえ』


 僕はその言葉を胸に刻み、これからの日々を過ごしていこうと思う。




 ナドラガンド・嵐の領界が開けると、冒険者たちは旅立っていく。
 僕ももちろん、旅芸人としてその中に加わった。

 新しい場所。新しい街。
 それらは僕たちの心を沸き立たせた。
 新たなる敵との戦いを前に、仲間たちとの絆はいっそう深まった。


 そして……ルルルリーチが言っていた風斬りの舞の強化だが、
 旅芸人を不要にするどころか、その逆。

 戦いのビートとの2枚看板は選択肢を増やし、
 旅芸人はもっと活躍しやすくなっていた。

 ……結局のところ、取り越し苦労だった。
 何のことはない。ずっと、繰り返されてきたことだ。




 けれど、忘れてはならない。
 僕たち旅芸人が絶望に染まった時、再び闇芸人は現れるのだ。
 だから僕たちは、工夫を重ね、誰かを信じ、前に進む。
 旅芸人を、ただの無力で寂しい職業にしてしまわないように……。



 旅芸人の三文字。
 そこには、こんな意味があるのではないかと思う。

 “旅”――旅芸人とは、旅をする者である。
      ゆえに諦めずに前へと歩み続けること。

 “芸”――旅芸人とは、芸を磨く者である。
      ゆえに研鑽と試行錯誤を忘れないこと。

 “人”――旅芸人とは、人を愛す者である。
      ゆえに共に歩む友と仲間を信じること。

 これらを戒めとして、残しておきたい。
 大切なことを忘れない限り、僕たちはきっと、絶望に負けないだろう。







 ……時間は少しだけ遡る。

 それは僕が、ポルファン師匠に最後の報告をした日のことだった。
 サーカステントの前で、僕はオルフェアの空を見上げていた。

 今日もどこまでも遠い青空だった。
 その向こうに思いを馳せる。

 ――ニセモノの世界で出会った、もうひとりのポルファン師匠。
 そして兄弟子、ゲイザー。
 彼らは闇芸人の根源とともに消えてしまったのだろうか。

 いや、もしかすると……。

 僕は思い出す。
 闇芸人の根源がいた場所は、かつて僕たちが倒した敵――
 そいつが求めた、世界を作るチカラのある場所に似ていた。
 もしかすると、その一部だったのかもしれない。

 だとすると……あのニセモノの世界は……。



『ああ、最後にもう一つだけ――
 ニセモノの世界は、このまま残りますよ。
 あなたたちの世界と交わることはありませんが、
 いつまでも、ずっとね……』




 ………………。

 …………。

 ……。




「……それで、ポルファン師匠。
 弟弟子を送り出したのはいいですけど、
 オレたちこれから、どうしましょうかね?」

「なはは。オイラ、そこまで考えてなかったよお」

「師匠ぉ~~……」

「でもよお、ちっぽけな世界かもしれないけど
 ここにだって、芸を見たい人、たっっくさん、いるんじゃないかなあ?
 だったらやることは決まってるんだぜえ」

 ポルファンはひょいっと机から飛び降りる。

「師匠……!
 ルルルリーチとの戦いで負った古傷は……?」

「なはは。さすがに、キレのある芸をするのはまだまだかなあ?
 でも、その代わりに、働いてくれる弟子も戻ってくれたしなあ」

「……し、師匠……オレ……」

 涙ぐむゲイザーを、ポルファンはじーーっと見つめる。

「んー、だけどまあ。
 おめえさん、武器のスキルばっかり上達しちゃって
 肝心の芸がナマってるよなあ。ナマってるよねえ。
 ちょっと街まで出て、
 あの頃みたいにジャグリングの練習でもしようかあ?
 ほーんの、ちょーっと、キツいけどよお?
 それぐらいのハードルは、上等上等」

「し、師匠! 目が笑ってないですよっ!?
 うっ……うおおおおおおーーーッ!!」





 ――もしかすると。
 そんな世界も、どこかにあるのかもしれない。


「……なんてね」


 『伝説の旅芸人への道』、CLEAR。


 これが物語なら、エンドロールが流れている事だろう。
 その中で、向こうの世界が続いていればいい。

 僕はそんなことを思いながら、歩き出した。








 伝説の旅芸人への道 2016・2017
 ~Fin~

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