イロハの冒険日誌

いつもイロハ水族館をご愛顧いただきありがとうございます。

この度、オオサンショウウオ（大山椒魚）のキングサイズが水揚げされ、本館にて展示開始しましたので、その生態を紹介していきます。

オオサンショウウオは、清流の上流域〜中流域に生息する、世界最大級の両生類です。（ので、厳密には魚ではなく、カエルなどの仲間です。）

一生水中で生活しますが、大人は肺呼吸と皮膚呼吸を行います。しばらく観察していると、空気を吸いに水面に上がってくる姿が見られます。

特徴は、そのキモカワな見た目！
岩や土に擬態する体色に、柔らかく弾力のある肌、大きな鼻に、小さな目、にゅるっとはえる4本の足。そして何より、「にまぁ〜〜っ」と笑う大きな口！
身体の半分まで裂けるように口が大きいことから、別名「ハンザキ」とも呼ばれます。※名前の由来は諸説あります。

大きな口で、魚、カニなどの他、ヘビやカワネズミなど貪欲に食べます！時には共食いをすることも！

オオサンショウウオには、日本の在来種の他、人為的に導入された「チュウゴクオオサンショウウオ」がいます。
この二種は交雑を行うので、純粋な日本のオオサンショウウオが減って、チュウゴクオオサンショウウオとの雑種が増えています。（このように、他種と交雑し、元の種が減ったり、いなくなったりすることを「遺伝子汚染」と言います。）

遺伝子汚染は身近な例でも起こります。
「ペットショップで買ったメダカ、増えすぎて困ったなぁ、近くの小川に放流しよう。あそこなら他にもメダカがいるし、生きていけるだろう。」
これ、絶対やってはいけません！！！

遺伝子汚染は、近縁種同士だけでなく、同種の間でも起こります。同じメダカでも、「近くの小川のメダカ」と「ペットショップで買ったメダカ」は、異なります。交雑すれば、もともとこの小川にいたメダカは、完全に失われてしまいます。
同様に、違う小川で取ったメダカを、別の小川に放流するのも、絶対ダメです！

遺伝子汚染の他、河川改修やダム建設などで生息地が失われたことでも、その数を減らしています。

日本在来のオオサンショウウオは、IUCNレッドリストでは準絶滅危惧種に、国のレッドリストでは絶滅危惧種二類に指定されています。
国の特別天然記念物にも指定されています。

オオサンショウウオの寿命は、実は詳しくはわかっていませんが、最も長生きと言われている個体は、７０年以上も生きたそうです。


キモカワな魅力だけでなく、とても貴重な貴重なオオサンショウウオ。
安心して長い寿命を全うできるよう、そして、次の世代にも純粋な在来オオサンショウウオを引き継いでいくためにも、私たちができることがあるかもしれません。