いつもイロハ水族館をご愛顧いただきありがとうございます。
夏休み企画として募集した「みんなで選んだ魚を学ぼう」最終回、
今回は、ホッケ(魚へんに花、と書きます)です。
本館(ジュレ13981うるわし3番地)の海のエリアに展示しております。
本日誌で、その生態を解説していきます。
手持ちがなかったので、釣り上げてきました!キングサイズ!!
〜生息地、体長、寿命など〜
日本では東北地方以北から北海道周辺に生息する冷水性の海水魚です。
体長は最大で60cm前後に達するものもあります。(今回水揚げされた個体はキングサイズ74.7cm)
寿命は8〜9年と言われています。
〜ホッケの一生、飲まず食わずで子を守る父〜
ホッケは、成長に従って呼び名が変わる出世魚です。大きくなるにつれて青ボッケ→ロウソクボッケ→春ボッケ→根ボッケと呼び名が変わっていきます。
孵化(10〜12月)して約1年間は海の表層で生活し、ロウソクボッケ以降は海底での回遊生活を開始します。満2歳以降、回遊をやめ、岩礁域に定住する(=「根づく」だから「根ボッケ」)ようになります。
ホッケの産卵は9月中旬〜12月中旬頃です。この頃、オスの体は白く変色し、頭頂と尾ひれ先に「婚姻斑」と呼ばれる黒い模様が浮き上がります。産卵後、オスは、卵が孵化するまで、飲まず食わずで守ります。
〜驚異!!ホッケ柱!!〜
春になると、海面に奇妙な渦巻きが出現し、その直下になんと!高さ約20m、直径約3mに及ぶ巨大な柱がそびえることがあります。
これはホッケ柱と呼ばれ、数万匹!!のホッケが海面近くで群れとなり、上向きで泳ぐことで発生します。こうすることで、天敵の鳥に襲われることなく水面のプランクトンを海中へ引き込むことができるのです。
〜脂にクセがなく美味しい白身魚〜
ホッケは、ご存じのとおり食用として人気です。1年を通して獲れる魚であり、漁獲量の90%が北海道産です。鮮度が落ちやすいため、冷蔵冷凍・流通技術が発達するまでは、産地以外ではあまり食べられませんでした。
ホッケといえば開き!干物!がメジャーですが、フライにしても美味しいです。ご当地グルメ「ホッケ飯」なんてもあり、酢飯とホッケがよくマッチする、学校給食でも人気のメニューだそうです。食べてみたいですね。
そのほか、かまぼこなどのすり身の原料としてもよく活用されています。
〜水産資源保護の話〜
最後に、また水産資源の話です。(お魚記事を書くと、この話題は避けて通れませんね)
水産庁によると、マホッケの漁獲量は80年代には30万トン程度で推移しましたが、水温上昇や乱獲のため、漁獲量が激減し、2013年にはたった5万トンとなっています。併せて価格も上昇しています。
技術の発展により日本全国で愛されるようになったホッケ。これから先も安心して美味しく食べられるように、我々も、気候変動や水産資源の保護に関心を持って暮らしていきたいですね。
さて、これで館長の夏休みの宿題も終わりました。今後ものんびり水族館やっていきます。
イロハ水族館では、今後も増改築、展示の入れ替え、生態記事の投稿、各種企画などを行っていきます。変わらぬご愛顧のほどお願いいたします。
〜〜お魚好きの方、ぜひお越しください〜〜
イロハ水族館
本館 ジュレ13981うるわし3番地
和風館 同1番地
世界の気候館 同2番地
※ご連絡くださればお招きのつばさ差し上げます。
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