いつもイロハ水族館をご愛顧いただきありがとうございます。
この度、アンモナイト(キングサイズ)が水揚げされ、本館床下水槽にて展示開始しましたのでお知らせします。
併せて、アンモナイトの生態について、紹介します。
【基本情報】
アンモナイトは古生代シルル紀末期から、中生代白亜紀末期までの約3億5千万年もの長期間、世界中の海に広く繁栄した頭足類です。
絶滅は、恐竜などと同じく小惑星の衝突による大量絶滅が起こった時期です。
【「アンモナイト」は1万種?!】
「アンモナイト」は、ひとつの種の名前ではなく、分類群(狭義にはアンモナイト目、広義にはアンモナイト亜綱)の名前です!
……と言っても、よくわからないと思います笑
ざっくり言うと、「アンモナイト」は、共通の特徴を持つたくさんの種の総称、ということです。
3億年以上にわたって世界各地に繁栄したアンモナイトは、さまざまに進化や分岐を繰り返し、1万種近い化石が見つかっています。
【体長は数cmから数mまで!?】
上述のとおりアンモナイトには様々な種がいます。
多くの種は体長数cmから数十cmほどでしたが、最も大きいとされる種は殻の直径だけで2m超!軟体部も含めると5m!!にもなったといわれています。
建物の1階がおよそ3mなので、どれだけ大きかったかわかりますね!
【生きた潜水艦?!他の巻貝とは異なる特徴的な殻】
アンモナイトの殻は、サザエなどの他の巻貝とは異なる面白い特徴を持っています。
サザエなどの巻貝の殻は、内部が奥までつながっていますが、アンモナイトの殻の内部は、いくつもの壁で仕切られ、奥へ奥へ小部屋が続いていくような構造になっています。
脳や内臓などは手前側に収納されていますが、では、奥の部屋は何のためにあったのでしょう?
答えは浮力調整です!
殻内部の各小部屋をチューブが貫いていて、そのチューブを使って、小部屋に体液を出し入れすることで、浮力の調節をし、水中を上下に移動しました。
これは、現代の潜水艦と同じ原理です。
【貝の仲間じゃない?!】
直前で、アンモナイトの殻は他の巻貝と特徴が異なるという話をしました。
たしかに、貝殻だけじゃなく、足(触手)がたくさんあって、海の中をプカプカ泳ぐ姿は、貝っぽくないですよね。何か別の似た生き物がいたような…
それもそのはず。アンモナイトは、イカやタコの仲間なのです!!(いずれも軟体動物門>頭足綱)
イカやタコと同じように、海中をプカプカ泳ぎ、魚やエビやカニを食べました。
ちなみにサザエなどの巻貝は軟体動物門の腹足綱です。
【代表的な示準化石】
アンモナイトは、先に述べたとおり、世界中に広く分布していました。また年代によって殻の形に特徴的な違いが見られるため、示準化石として有名です。
示準化石とは、その化石が含まれる地層が堆積した時代の推定に役立つ化石です。中学理科ですね!
【むすび】
誰しも一度は聞いたことがあるアンモナイトですが、調べてみると意外と知らない面白い生態がたくさんありました。
アンモナイトと同じ頭足類には、イカやタコのほか、生きた化石として有名な(そしてアンモナイトにそっくりな!)オウムガイもいます。いつかオウムガイのキングサイズを展示することがあれば、アンモナイトとの関係性にも触れながら紹介したいですね。
※生態記事の掲載においては、正確な情報の発信に努めていますが、間違いや誤解を招く表現、補足すべき事項などございましたら、コメント等で教えてください。
〜〜お魚好きの方、ぜひお越しください〜〜
イロハ水族館
本館 ジュレ13981うるわし3番地
和風館 同1番地
世界の気候館 同2番地
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