いつもイロハ水族館をご愛顧いただきありがとうございます。
現在、本館にて冬が旬のお魚を展示しております。
今回は、カサゴとメバルが、見た目がそっくりなので、見分けクイズをやってみましょう!
ヒントはたった2つしか出しません。
じっくり考えてみてください。
(徐々に分かるよう、深掘りガイドしていきます。)
↑ お魚:A
↑お魚:B
★問題★
AとB、カサゴはどちらでしょうか?
★ヒント★
1.暮らす場所
カサゴは海岸近く〜水深約200mに暮らします。
メバルは海岸近くに暮らします。
2.暮らし方
カサゴはあまり泳がず、海底で生活します。
メバルは泳ぎ回ります。身体を縦にしてホバリングするように泳ぐこともあります。
ヒントはこれだけ!
さあじっくり考えてみてください。
ここから先は、考え方のガイドを記載します。
※ガイド無しで正解を見たい方は、最後まで飛ばしてください。
ーー以下、ガイドですーー
★ガイド★
1.暮らす場所について
水深200mより深くなると、「深海」と呼ばれます。
つまりカサゴは、「深海」ぎりぎりのところまで住んでいるのですね。
深海…、どんな環境でしょうか?同じような深さにはどんな生き物が暮らしているでしょうか?
2.暮らし方について
海底で生活するか、泳ぎ回ったりホバリングするか。
それぞれ適した身体の形がありますよね。特に、エサを食べる方法が注目ポイントです。口の形はどうなるでしょうか?
ーーガイドここまでーー
★答えと解説★
正解発表です!!
カサゴは………!!!
A!!!
以下、解説です。
1.暮らす場所について
→赤いのがカサゴ!!
カサゴは深海まで生息します。
深海には、光が届きにくいです。また、色によって届く深さが違います。
ここで、カサゴと同じく水深200mあたりに住む生き物を見てみましょう。メンダコ、ホウボウ、ホッコクアカエビ…みんな赤いですね!
実は、青色の光は深くまで届きますが、赤色の光は届きません。そのような環境の中では、赤い身体の生き物たちは、黒っぽい目立たない色に見えるのです!
だから、深海に暮らすカサゴは赤いのです!
一方、メバルは一般に黒褐色です。(アカメバルという赤っぽいものもいますが、カサゴほどではありません。)
2.暮らし方について
→口が下を向いているのがカサゴ!!
カサゴは海底で暮らします。つまり、海底にあるエサを探して食べます。では、口はどちらを向いている方が食べやすいですか?
そう!下向きですね。だから、カサゴの口は下向きなのです!
一方、メバルは上向きの口です。泳ぎ回ったり、上を向いてホバリング泳ぎをする特性上、口が上を向いている方が、エサを食べやすいのです。
(実は、口の向きについてはゲーム内の作り込みが甘く、写真からの判別は困難でした。今回の企画では、それっぽく見えるように、写真の撮り方を調整しました。実物はもっとはっきり分かるので、ぜひネットで検索してみてください。)
他にも、色々違いはあるのですが今回は割愛します。
最後に、共通点や豆知識を紹介していきます。
★共通点★
・どちらも岩礁域に生息します
・どちらも白身がおいしく、煮付け、汁物、塩焼きなどで食べられます
・どちらもトゲを持ちます!触る時は刺されないように注意!
★豆知識★
・「出産」する魚?!
魚類は卵を産みますが、カサゴやメバルは「出産」します!身体の中で卵が孵化するまで育て、仔魚を体外に放出するのです。
・消える「カサゴ目」
カサゴやメバルはかつて「カサゴ目」に分類されていました。しかし研究が進む中で、「カサゴ目」という分類自体が疑問視されてきました。今ではカサゴやメバルは「スズキ目」に分類されるという考えが主流のようです。
・「メバル」が3種に
かつて「色が違うなぁ」くらいに考えられていた「メバル」。2008年にアカメバル、クロメバル、シロメバルの3種に分類され直しました。DNAレベルで異なる種であるため、相互に交雑しません。
従って「メバル」という名前の種はなくなりました。
・漢字で分かる魚の特徴
カサゴは「笠子」、メバルは「目張」と書きます。
名前が身体の特徴を表していますね。
見分けクイズいかがだったでしょうか?
イロハ水族館では、今後も増改築、展示の入れ替え、生態解説日誌の投稿、各種企画などを行っていきます。変わらぬご愛顧をお願いいたします。
〜〜お魚好きの方、ぜひお越しください〜〜
イロハ水族館
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