(以下バージョン6.4までのネタバレがあります。)
クエスト735「月は満ち欠け」。バージョン6.4での追加クエストですが、
いくつかの情報や謎がからまった不思議なクエストになっています。
現フォーリオンの男性の天使アーニウスは、彼が持つ「月のメダル」を主人公に渡して、
そこに書かれている内容「……ニ…ス から テモーリアへ。」を読んでもらった後に、
そばにいる相方のような女性天使エモーリアの前でこう言います。
「テモーリア ねぇ…… エモちゃんの名前と
似てる気はするけど ぐーぜんッスよね。
やっぱ オレの知り合いにそんな人いないッス。」
「似てる気はするけど ぐーぜんッスよね」は、「意味のある偶然の一致」のことのようです。
この後、古フォーリオンの女性天使テモーリアの元へ行くと、恋人の男性天使ノーニウスが行方不明になっていて、
「それぞれの持ち主が 合言葉を唱えれば
互いのメダルの 位置がわかるという
特別な魔法がかかっているの。」
とテモーリアは主人公に説明します。
合言葉「月は満ち欠け 海は満ち引き」は、対の関係にある「月のメダル」と「海のメダル」の持ち主が唱えることで効果が発動するそうです。
しかし、テモーリアのメダルの魔法の効果は事情はわからないもののとにかく消えてしまったみたいで、ノーニウスの居所がメダルから突き止められないと嘆いているのです。
現フォーリオンへ戻り、天使アーニウスが合言葉を唱えると、なぜか月のメダルが輝き出し、この後わかるのですが天使ノーニウスが亡くなった場所(ナドラガンド)を映し出すのです。
主人公はナドラガンドでノーニウスの遺書と「海のメダル」を手に入れて、古フォーリオンのテモーリアの元へ届けると、テモーリアはメダルの歴史について説明してくれます。
「月のメダルは 故郷である
とこしえのゆりかごを 旅立つ時
彼から もらった物なんです。
このメダルには 何があっても 月と海のように
見えないチカラで 引き合い続ける……
そんな魔法も こめられているんですって。」
メダルの出所はとこしえのゆりかごです。
ここで疑問が浮かびます。この「魔法」をメダルに込めたのは一体誰なのでしょうか。
見えないチカラの効果が数万年も続く魔法をメダルに込めることのできる者。
ノーニウスの可能性は低いと思います。とこしえのゆりかごにいた頃、彼はただの人間だったからです。
ちなみに、古フォーリオンのテモーリアが持つ月のメダルの魔法は消えてしまったわけではなく、相方が亡くなったために効果が発動しなかったようです。
しかし現フォーリオンでは、アーニウスとエモーリアが相方化してどちらも生存していて、
なおかつ両者は恐らく神話時代のノーニウスとテモーリアが転生した天使なので、
アーニウスが合言葉を唱えると効果が発動したみたいです。
そして主人公はまた現代へ戻りますが、このタイミングで歴史改変が起きます。
ふたつのメダルの歴史について「遺品」であるという情報がアーニウスの記憶に上書きされたり、
海のメダルがナドラガンドではなく天星郷にあって、紛失したアーニウスがたまたま見つけるという話に変わってしまっていたりします。
このクエストからわかる情報は、
・天使の魂の「転生」が「共時性」(意味のある偶然の一致)に影響することがある。
・名前、外見、性格、趣味や嗜好などが、意味のある偶然の一致として、後の時代の同じ魂を持った天使に引き継がれることがある。
・天使アーニウスが言う「似てる気はするけど ぐーぜんッスよね」は、「意味のある偶然の一致」である「共時性」の、内容をそのままに、表現を変えて書かれた文のようです。
シナリオ班が書いたセリフでもあることから、共時性についての認識を持った上でこのクエストの話を書いていると考えて差し支えなさそうです。
・特定の持ち主が合言葉を唱えなければ効果が発動しない道具であっても、転生後の同じ魂を持った天使なら効果を発動させることができる。
・とこしえのゆりかごに、数万年間効果が持続する魔法をメダルに込めた者がいた。
・もし天使の転生が天使の共時性に影響を与える場合があるのなら、人間・六種族・魔族・魔物らの間で起こる共時性に、何か影響力をもつ要因はあるのか?
・バージョン2の偽セレドのクエスト373「あやかしの調べ」で、話を進めるのに必要な「レムール貝」を手に入れるためには、リゼロッタによると、
「それを 手に入れることができるのは
海と月が 引かれ合う時だけだとか。
これはいったい どういうことでしょうか……?」
ここでもクエスト735との共時性が起きているようです。
おわり