(以下バージョン6.5前期までのネタバレがあります。)
このゲームではバージョン1から6まで、【生命が持っている様々なエネルギー】が登場しています。
その中でも特に気になったものを、以下ストーリーの時系列に捉われず書いていきます。
バージョン4.0では、異形獣という魔物のような魔法生物が、人を襲って【精神エネルギー】を奪う事件がありました。
エテーネ王国の王立アルケミアのヨンゲ所長が、ドミネウス国王の密命により作っていたのです。
また、バージョン4.4でプクラスの複製体C141も、アルウェーンの町にある奉仕室で、プクリポたちから【精神エネルギー】を吸い取っていました。
C141は映像で「市民のみなさんの 【精神エネルギー】が 我々 全員の生活を 維持しています。」とプクリポを言いくるめていました。
ところがこの後、コールドスリープから目覚めたプクラスはこう言います。
「町のプクリポたちが みな 感情をなくし
奉仕室で 【魔法力】と【生体エネルギー】を
吸われている……100年以上も……そんな!」
なぜプクラスは【精神エネルギー】ではなく、【魔法力】と【生体エネルギー】と言い換えたのでしょうか。
ここは正直よくわかりません。【精神エネルギー】が【魔法力】と同義で、【生体エネルギー】とセットで生命のエネルギーの総体をなしているという意味なのかも知れないですし、
C141がアルウェーン市民に伝えていた、精神エネルギーを吸っていたというのが嘘で、それを見抜いたプクラスが正しく言い直したという可能性もあるかも知れないですが、真相は不明です。
ただ、C141はこう述べています。
「思考や 感情は エネルギー効率を損ないます。
市民のみなさんは 全体の幸福のために
管理者プクラスの指示に 従ってください。」
おそらくこの目的を達成するために、施設を作り、プクリポが幼いうちは保育地区の家で育てられ、感情を抑制する教育が施されていたようです。
ヒヒへによると「アルウェーンの制服って どーも 古くさくて野暮ったいのよね」と、服も感情を刺激しない地味なものが選ばれていたようです。
エネルギー効率うんぬんというC141の言い分は恐らく間違ってはいないのだと思います。
ちなみに、感情抑制教育に縁のないバージョン4.0の辺境警備隊詰所の兵士は、
異形獣に精神エネルギーを吸い出されると、死ぬことはなかったもののその場に倒れて生気を抜かれたようにぐったりしてしまいました。
一方、バージョン4.4でパルミオ2世を倒した後に、エネルギーを確保するためにプクリポたちは自ら奉仕室の機器に身を預けますが、機器から出てくると苦笑いのような表情で何とか自力で立てているのです。きっと感情抑制教育の成果なのでしょう。
たま出版の『ソ連圏の四次元科学(下)』p.304によると、「生体エネルギー」は人間や動植物から収集可能とあります。
エネルギーを吸い出された際の疲労についても書かれていて、「感情が強いほど疲労はもっと強いものになります」とあり、
生体エネルギーを吸収する際には精神が疲弊しやすいので、エネルギー吸収時に感情を抑制しておけば疲労を抑えることができ、エネルギーの吸収効率も高くなるという意味合いがあるようです。
アルウェーンの、幼少期からの感情抑制教育は、現実世界の生体エネルギー論を参照したかのような内容になっています。
なお、「自然エネルギー」を体に取り込んで「生体エネルギー」とし、これが脳に流れると「精神エネルギー」になるという説もありますが、このゲームで適用可能なのかは不明です。
ヨンゲ所長は「精光導力器」という機器も発明していて、精神エネルギーが蓄えられた異形獣のツノを機器に入れると、
機器から接続された長い管から精神エネルギーが流れ出て、他者へ精神エネルギーを移すことができます。
バージョン4.0でマローネ夫人はこの機器による治療で意識を取り戻します。
【精神エネルギー】は任意での出し入れが可能ということです。
生命が持つエネルギーについて(2)へ続きます。