(以下バージョン6.5前期までのネタバレがあります。)
面識がないAさんとBさんが、同じような言葉を発したり、同じような行動を取ったりすると、
単なる偶然ではない、「意味のある偶然一致」ではないかという不思議な思いに駆られることがあります。
こうした「共時性」の例をもう少し挙げてみます。
ユシュカ(バージョン5.5)
「なあ。この村を作るまでに
お前は どんな旅をしてきたんだ?
夜が明けるまで まだ時間はあるだろ。
眠る前に 聞かせてくれないか……
我らが 大魔王サマの物語を。」
レクタリス(バージョン6.4)
「仲のいい友達は いるの?
未来で どんな所に住んでるの?
今までに どんな冒険を してきたの?
……ぼくの話は もういいよ。
きみの話を 聞かせて。」
「どんな旅をしてきたんだ?」「どんな冒険をしてきたの?」
「聞かせてくれないか……我らが大魔王サマの物語を」「きみの話を聞かせて」
どちらも真夜中の出来事で、たき火を囲んでいます。
主人公は、ユシュカにはシンイ、レクタリスにはユーライザという戦友を紹介しますが、
シンイは一度死んでいて生き返しの術で転生に似た経験をしていて、ユーライザは転生の経験があります。
面識もなく、時空を超えたふたりの出来事。観測者はいずれも主人公。
まさに「意味のある偶然の一致」のようです。
メレアーデ(バージョン4.5)
「しっかりしなさい クオード!
皆が見ている。王なら 民の前で
ヒザを屈する姿を 見せてはいけない!」
大魔王ユシュカ(バージョン5.5)
「大魔王はッ! 決して ひざを屈しない!!
大魔王は 誰にも 負けないんだッ!!」
「ヒザを屈する姿を 見せてはいけない!」と「ひざを屈しない!」がよく似ていて、
王の資質という文脈も共通しています。
邪竜神ナドラガ(バージョン3.5)
「こうべを垂れよ 獣……」
大魔王ユシュカ(バージョン5.5)
「我が名は 大魔王ユシュカ!
偽りの大魔王よ……
我が威に服し こうべを垂れよッ!」
ユシュカとナドラガに接点はありません。
王や神の威厳、格上が格下に服従を誓わせようという点が共通しています。
漂流者キュレクス(バージョン4.5)
「脳に直接 大量の情報を送るから
ちょ〜っと 具合が 悪くなるかもしれないけど
じっとガマンして 耐えるキュレよ!」
ユシュカ(バージョン5.5)
「今から お前の頭の中に 直接イメージを送る。
しっかり 意識を集中してくれ……。」
脳・頭に情報・イメージを送るというところが共通しています。
キュレクスとユシュカには接点はありません。
ただし、双方の能力には性能差があり、
キュレクスはメレアーデに「もっとそばに来るキュレ」と接近を促すように、射程距離が非常に短いです。
キュレクスの能力を受け継いだキュルルが時獄の迷宮で会ったパドレに対して同じ力を使う際にも、キュルルはパドレの顔面の前まで移動しています。
また、大量の情報を送ることもできるものの、その反動で具合が悪くなる恐れもあるそうです。
一方ユシュカの方は、主人公との「血の契約」を利用しています。
滅星の深淵から大魔王城へとイメージを送ったことから、射程距離が非常に長いのが特徴です。
また、「ようやくつながった」と言うことから、接続に成功するまで時間がかかる場合があるみたいです。
漂流者キュレクス(バージョン4.5)
「大津波 大飢饉 水没……
さまざまな災厄を 避けてきたが
それは 運命を歪めることに 他ならぬ。
運命を変える……その度に 歪みは増大し
回避した幾多の災厄は 束ねられ
より大きな災厄となって 牙をむく。」
ユシュカ(バージョン5.0)
「侵略 内乱 あるいは天災……
なんにせよ そのきざしが現れた時
奴らは 問題を先送りにする……。
そして いつしか 積もり積もった
災いの火種が 破滅を呼び寄せるのだ。」
どちらも1行目で3つの災厄を並べています。
また、表現は違うものの内容が同義または同類のものとして、
「災厄」と「問題」
「避けてきた」と「先送りにする」
「束ねられ」と「積もり積もった」
「より大きな災厄」と「災いの火種」
がそれぞれ文に組み込まれています。
ユシュカの共時性の例はあとひとつ、続きで紹介します。
意味のある偶然の一致(共時性)について(5)へ続きます。