(以下バージョン6.5後期までのネタバレがあります。)
バージョン6を終えて、ユーライザの言動で意味が十分につかみ切れなかったものが、個人的に2つあります。
【1】「大崩壊」の意味が一貫していなかったようにも読める件
【2】ユーライザが神化するに至った過程
この2点について以下推論してみたいと思います。
推論というのはジグソーパズルに似ていることがあり、ピースの欠けた箇所をその周囲のピースから推測する楽しさはあるものの、
反対に、欠けたピースを埋めてからでないとその周囲のピースも情報が不足していることがあります。
ピースが欠けている絵全体を「おもちゃ」と予想しても、全ピースを埋めたら「兵器」という可能性もあります。
今回の予想も「情報不足」「論理の飛躍」という、幾ピースも不足した状況から行うため、的中を狙ったものではありません。
【1】「大崩壊」の意味が一貫していなかったようにも読める件
バージョン6.0の天使長ミトラーが言う「いにしえの大崩壊」が、このゲームでの「大崩壊」の初出で、
主人公と勇者アシュレイに対してこう説明します(ここにはユーライザはいません)。
「いにしえの 大崩壊の日でさえ……
奴らに フォーリオンが 蹂躙されても
あの水源だけは けがされなかった。
それはひとえに 女神の加護が あったゆえ。
もはや 加護は失われてしまったのか……。」
3行目の「た」という過去時制が、この6.0時点では、
・本人の直接体験
・古文書・伝承・先輩天使らからの口伝など間接的な情報
・女神ルティアナから聞かされた(6.5前期で、映像のルティアナを見た天使長が「この方が生のルティアナ様!」とルティアナを見たことがない口ぶりだったので、この線は消えそうです。
ただ、「ユーライザの思い出」ではルファ神殿で、ユーライザはルティアナがジャゴヌバに敗れる様子を見ていたことを述べていて、
天星郷のトップである天使長がルティアナの敗戦を天星郷からであっても見ていなかったのなら著しい違和感を覚えてしまいます。
天使ファラフォル(6.2)
「そういえば この話が 広まったころ……
ユーライザが 訂正して回っていたな。
罪付きの言うことなど 誰ひとりとして
信じようとは しなかったが。」
ユーライザが罪付きだから誰も話を信じなかったとはいうものの、
ルティアナの敗戦の観測者がユーライザ一人(+アルビデ?)しかいなかったのならかなり不自然です。
ルティアナを主人公が殺したというアルビデの妄言を天使全員が鵜呑みにしてしまったようですが、
見ていたのならユーライザのようにすぐに反論できたでしょうし、見ていなかったがゆえに偽情報を信じてしまった線はあると思います。
また、聖天舎の特務室には望界鏡という下界を観察する望遠鏡のような装置はありますが、
特務室の天使たちは女神が敗れた時、もし地上を観測していなかったのなら、どう過ごしていたんでしょうか。)
「いにしえの大崩壊」の「いにしえ」がいつの時代のことなのか、天使長からは触れられません。
また、「奴ら」についても不明です。
この後薬師サワディエルのもとを主人公とアシュレイは訪れるのですが、ここでアシュレイは主人公にこう説明します。
「神代の遺構は 大昔に放棄された 都の残骸でさ
どういうわけか 魔物が 棲みついているらしい。」
「大昔」というまた漠然とした過去を意味する表現で、「いにしえ」と同義?
魔物が棲みついた理由は不明のようです。
同じくバージョン6.0。アルビデの家を捜索中に神代の遺構の地図がテーブルの上に見つかり、
遺構の説明をユーライザがしてくれます。
「じつは 神代の遺構というのは
我々のご先祖様が 暮らしていた
ずっと昔の 神都の跡なのです。
でも 大崩壊と呼ばれる 災害が起き
神都は 住めなくなるほど 汚染されて
やむなく放棄したと 聞いています……。
今 私たちが住んでいる 神都は
かつての神都の上に 土台を作り
新たに 建造したものなのです。」
5行目「汚染されて」は受け身形で、能動態に直すと「Xは神都を汚染した」で、主語Xが隠れていますが、先ほどの天使長の話からすると「奴らは神都を汚染した」と読むのがここでは良さそうです。
すると、「いにしえの大昔のアストルティアで、奴らが神都を蹂躙するという災害があり、汚染されて人が住めなくなってしまった」くらいの意味合いのようです。
また、アシュレイもユーライザも「放棄」という言葉を共通して使っています。
ちなみに、バージョン6.2で「ジア・クト」という言葉が初出で、恐らくこの「奴ら」はジア・クトと読めます。
ユーライザの謎(2)へ続きます。