(以下バージョン6.5後期までのネタバレがあります。)
フォステイルの語源が何なのか、バージョン6終了時点での予想をしてみたいと思います。
初期キリスト教文書の『ナグ・ハマディ文書』というものがあり、
ここに収録されている『アダムの黙示録』に
「六 光り輝く者(フォーステール)の到来」
「七 光り輝く者(フォーステール)の由来に関する諸説」
というタイトルの章があります。
可能性のひとつとして、「フォーステール」がフォステイルの語源ではないかと予想します。
「フォース」はギリシア語で「光」を意味するそうです。
『ナグ・ハマディ文書』の翻訳は、岩波書店から全4巻で出版されていて、どの巻にもフォーステールは出ているのですが、
特に第4巻に収録されている『アダムの黙示録』ではフォーステールの詳細が描かれています。
岩波書店の『原始キリスト教とグノーシス主義』という本のp.175に、『アダムの黙示録』のかなり短めの要約文があり、引用してみます。改行はこちらで施します。
「黙示の主要内容は三つの部分から成り立つ。
第一は、創造神が、イブのグノーシスを受け継いだセツ人をも、洪水によって滅ぼそうとするが、
彼らは『大いなる天使』によって『命の霊ある場所』に導き入れられる。
第二は、更に創造神が、ノアの子らをも火によって滅ぼそうとするが、
彼らもまた『大いなるアイオーン』がくだした三人の天使的存在によって救われる。
第三は、救済がノアの子孫、とくにこの世に捕えられているハムとヤペテの子孫にも拡げられる。
そして、この最後の救済を果たすのがフォーステールなのである。」
この第三の内容について、同ページ直前で「フォーステールは地上に来て、『彼』の『しるしと奇跡』により、諸権力を恥じ入らせる」と書かれています。
「フォーステール」という音がフォステイルに近く、「奇跡」という言葉はオルフェアの町やメギストリスにある『フォステイルの奇跡』という本のタイトルに含まれ、
「フォース(光)」は、「アン『ルシア』」「『ルシェ』ンダ」「ファ『ルシオ』ン」「ナ『ラジア』」「『ラゼア』の風穴」「レンダ『ーシア』」などの「光」の意味合いを持っていそうな表現の言い換えの可能性はあるかも知れません。
これらから、フォステイルの語源は「フォーステール」ではないかと一応予想してみます。
また、北欧神話でも「フォルセティ」という神が登場し、バルドルとナンナの息子です。
彼が住む「グリトニル」という館の屋根は銀でできていて、銀は太陽と月の象徴で、対立するものの和解を表すそうです。
音がフォステイルにそこそこ近く、「銀」に通じることから、語源の可能性はあり得そうで、
もし知恵の社にある『シグルド戦記』やアズラン外伝クエスト『人形たちのラグナロク』に絡むなら、この意味でも語源の可能性は出て来ると思います。
おわり