(以下バージョン7.0までのネタバレがあります。)
〝気の訓練〟である「気功」の基本は、前掲の『気とは何か』p.68によると、
「調身」(身体能力の訓練)
「調息」(呼吸法の訓練)
「調心」(意識と無意識を含めた心の潜在能力を高める訓練)
の3つで、
「調息」は、「調身」と「調心」を結ぶ中心的役割を果たすものとして重要視されているそうです。
先ほど(6)で述べた、「心理(こころ) - 生理(からだ)- 物理(もの)」の、生理(からだ)と心理(こころ)を、呼吸によって気を巡らせる訓練が「気功」であるということです。
「調息」は「調気」とも言い換えでき、「気」の訓練を意味します。
なので、呼吸法による「気」の訓練は、心の訓練と身体の訓練を一つに結びつける要の位置に置かれているという意味とのことです。
ちなみにジーガンフの呼吸法で最初に両腕を肩の位置まで上げたのは、胸や肺のあたりに空気が入りやすくなり、次に息を吐くことで体内の余分なものが排出されるからではないかと推測します。
気は、「経絡」(いわゆるツボ)という目に見えない、神経のような脈官系の組織の中で流れますが、
気が体外へ出され超常現象的に用いられると、成甲書房の『超常現象大事典』p.228によると、相手をはね飛ばしたり鉄骨をねじ曲げたりする「硬気功」と成すことも可能のようです。
日誌「ジャゴヌバの謎」にも以前書きましたが、「気」に似た「創生のチカラ」は、生命の維持や物の形成に関わるだけではなく、ジャゴヌバの身体を消し去ることを目的に女神ルティアナが用いていて、ジーガンフのフーラズーラへの「気」の使い方と同様の理屈のようです。
ラキがジーガンフの「気」の才能を見出したのは、創造主の神獣であり女神とも近しく創生のチカラの扱い方に通じているためと思われます。
疑問に思ったのは、バージョン6.5前期のジア・ルーベや7.0終盤の女神ゼネシアの説明によると、果ての大地ゼニアスの創造主であるグランゼニスが発する「創失」の呪いによりジア・クトは創生のチカラを自力で生み出すことができない体になってしまいましたが、
彼らは「気」をコントロールすることはできるのでしょうか。
生命の維持や物の形成に必要な創生のチカラを自分では作れない体になっただけで、他者から奪った創生のチカラであっても他者を攻撃するために「気」を練って用いることはできるのかどうか。
ジア・クトに呼吸はあるのか。バージョン6.3で主人公に敗れ念晶体が傷ついたジア・ルミナは肩で呼吸するしぐさを見せますが、これは呼吸なのかどうか。
この点では、ムニエカの町の人形たちについても疑問が残りました。
もし呼吸が見かけだけのものであっても、「気」を攻撃に用いることはできるのか。生身の体でないと「調息」という、「経絡」に基づいた「気」の呼吸法は成立しないのかどうか。
クエスト669「凶拳は天を超えるか」で、アンテロに似た容姿の、砂の都ファラザードの武闘家ダルカスがこう述べています。
「キサマ タダモンじゃねえなァ。
かなりの武術を 身につけていると見た。
しかも アイツと似た気を 感じやがる……。」
武術に長けた彼も主人公の「気」を感じ取っていますが、独特の呼吸の動きを取り続けます。
また、同じくファラザードのしびれくらげの容姿のマッサージ師ユースティは、主人公に電撃マッサージを施術していわゆる集合的無意識にアクセスさせ、始まりの大魔王の舞を習得させますが、気は意識と無意識をつなぐ働きがあるので、経絡(ツボ)をでんげキノコで突くことで気の巡りを良くした可能性はあります。
他にもユシュカやウテンなど、「気」に関わると思しきキャラクターがファラザードにはなぜか多い気がします。
生命が持つエネルギーについて(8)へ続きます。