(以下バージョン7.0までのネタバレがあります。)
バージョン7.0終盤で女神ゼネシアは、妹であるという女神ルティアナのことを「か弱き妹」と表現し、
「わたくしは 父を助け ジア・クトと戦いました」とルティアナよりは戦闘力が高かったような物言いをするのですが、ここに強い違和感を覚えました。
バージョン5.4で、イルーシャと共に祠(ほこら)を巡って光の神装を集めに行き、
各地の祠では神話時代の情報が得られるのですが、
その語り部となる極天女帝はこう話していました。
極天女帝
「攻め入ってきた邪神どもに 立ち向かい
戦ったのは 種族神たちだった。
この戦いは 永く続き 大地は荒れはてた。」
魔界からアストルティアへ侵入してきた邪神たち相手に種族神たちが戦うものの、
アストルティアは荒廃していくようです。ところが、
極天女帝
「そこで 母なる女神は
神気を込めた かがやく矢を放ち
邪神どもを 次々に射抜いた。
邪神が倒れた地は けがれを残したが
女神は それ以上 ひろがらぬよう
そのまま 封印したという。」
ルティアナ参戦によって、種族神 対 邪神 では収拾がつかなかった両者の戦いに一気に蹴りがつき、
『秘聞録』p.012-013の年表も参照すると、ほとんどの邪神がアストルティアの各地に封印されたそうです。
ここの流れを見ると、女神ゼネシアが表現する「か弱き妹」には違和感を覚えます。
女神ゼネシアへの違和感がさらに強まるのは、
極天女帝
「七柱の邪神どもが 倒されると
滅びの神が みずから 生命の大地に襲来し
ついに 二大神の戦いが はじまった。
ある山は火を噴き ある海は涸れはてた。
二柱の神の戦いは 拮抗し
幾千年にも およんだという。」
その後女神ルティアナは、あの異界滅神ジャゴヌバと、何千年にも渡って互角の戦いを続けていたというのです。
これ程の高い戦闘力を持ったルティアナを「か弱き妹」とゼネシアが表現するのは、違和感だけでは済まない気がしてきます。
まだ女神ゼネシアへの疑念を感じさせる話が出てきます。
グランゼニス
「ルティアナの子らよ……
よくぞ ゼニアスへ 帰り来た……」
「ルティアナの子ら」は主人公・ メレアーデ・ポルテの3人で、
時空を超えての彼らのゼニアスへの帰還をねぎらっているようです。
グランゼニス
「お前たちに……伝えねばならぬ。
……誓約を 果たすのだ。
ふたつの光……世界…を……」
この「お前たち」に女神ゼネシアが含まれるかどうかですが、
女神ゼネシア
「お父様! お父様っ!?
わたくしです……ゼネシアは 目覚めました!
どうか 今一度 お言葉を!!」
グランゼニスは無回答のまましゃべらなくなってしまうのですが、
ここでも女神ゼネシアは言っていることがおかしいのです。
なぜなら、グランゼニスが「お前たち」と言ったのに、「わたくしです……ゼネシアは 目覚めました!」とまるで「お前たち」に自身が含まれていないと解したかのような物言いをするからです。
グランゼニスに無視されたという思い込みに基づいてくどい声がけをしてしまった感が否めないのです。
それに、グランゼニスが声を出す直前まで女神ゼネシアは、ジア・クトがアストルティアに創失の呪いをもたらしたとか、グランゼニスが彼の身ごと断ち切るよう命じたとか、長い演説をしていましたが、
この2つの命題は真偽を判定できるだけの根拠が出されていないです。
演説の途中でグランゼニスが声を出していて、目の前に女神ゼネシアがいることに気付かないとは考えにくいのです。
「ゼネシアは」と言わなくてもグランゼニスは聴覚や気配などから判断がつくでしょうし、「目覚めました!」と言わなくても声を出している時点でゼネシアが目覚めているのはわかるはずです。
ゼニスの封宮脱出後、ゼニアスの歴史やとこしえのゆりかごの名付けの由来について女神ゼネシアは説明を続け、
彼女が姿を消した後にポルテは笑顔で冷静にこう言うのです。
ポルテ
「お師匠様に聞いた話とは ちょっと違ったけど。」
女神ゼネシアはシロかクロか、それともグレーか。
どのようにも描けそうで正解はここでは出そうにないですが、いずれにしてもゼネシアに対する疑念は残ってしまいました。
女神ゼネシアの謎(2)へ続きます。