(以下バージョン7.0までのネタバレがあります。)
(12)〜(14)では主にバージョン7.0の共時性の例について考えてみます。
クエスト575「たりない何か」。バージョン7.0の前提クエストです。
エテーネの村のやぐらの上のペガサスと、パドレア邸にある幼児用の木馬の乗り物が、
恐らく意味のある偶然の一致になっているようです。
少年ラジは、冥王ネルゲルに殺された後に生き返しを受けていて、
生き返し後にこのクエスト575でやぐらの上に、手を加えた木を乗せるのですが、
生き返し前の木と比べると(バージョン1のムービー「始まりの目覚め」の冒頭)、
木の形や、木と木を接合した箇所が異なっていますし、前にはなかった花が模様づけに使われています。
ラジの記憶が生き返し前と後とで少し変わってしまったようなのです。
パドレも、マローネの創失によって、記憶が変わってしまいました。
木馬や記憶の相違が意味のある偶然の一致になっているみたいです。
よくよく考えると、共時性というだけではなく、ラジによる予知になっているようにも思えます。
クエスト575でラジが記憶違いの木馬を完成させた後に、バージョン7.0で木馬のある家の主パドレが記憶違いを起こしてしまい、さらにその後に花柄の服を着て花の髪飾りを付けたポルテに出会い、思えばラジの木馬にも花が飾られていました。
こうした流れは今までにも複数あり、例えばバージョン6.3では魔窟アラモンドの占い師プイプイが「アカシックレコード」と言った後に、兄弟姉妹が錬金術で「虚空の粉塵」というアイテムを使うのですが、「虚空の」は「アカシック」と同意語です。
6.5後期の魔眼の月の中でハクオウがユーライザのことを「なんだかお母さんみたいだ」と言うのですが、少し後にユーライザは転生したヘルヴェルのお母さんになります。いずれも事実上の予知になっていました。
イルシーム(バージョン7.0)
「お前たちも 見ただろう。
この国の兵士は 死を いとわない……
むしろ 美徳とさえ思っている。」
シグルド(クエスト118「ニブルヘイム・サガ」)
「死を 恐れるな……。
ボクはそう言って 戦士たちを率いてきた。
その結果が これだ……。」
(「これだ」は、人形仲間のリジンとハーゲンを目の前で相次いで亡くしたこと)
『人形たちのラグナロク』の話では、神の存在を明示しているので、
神に仕える戦士と、アマラーク城の普通の人間の兵士の話とは直接的には関係はなさそうです。
死を恐れないことと、戦いを職業とする者というところが、意味のある偶然の一致になっているようです。
アストルティアとゼニアスという異世界間で共時性が見られるというところが、今までの共時性の例にはなかったことです。
意味のある偶然の一致(共時性)について(13)へ続きます。