(この日誌は、「異界アスタルジアの創生のチカラについて考える」の続きになります。)
(以下バージョン7.0までのネタバレがあります。)
では、なぜ「軌跡の門」に、「創生のチカラ」を含むアスタルジアの欠片を捧げることで、主人公にゆかりのある人を顕現させることができるのでしょうか。
現時点では答えは出せないようです。
以下、今ある情報から根拠不足の憶測をしてみます。
「軌跡の門」は、兄弟姉妹によると、主人公の異界探索を手助けしてくれる仲間を集めるために、兄弟姉妹がある人と協力して作った門で、
顕現させたい人を強く思い浮かべてアスタルジアの欠片を捧げれば、今この時存在している人だけではなく、遠い世界や異なる時代、何らかの理由で消えてしまった人までも顕現させることができるそうです。
この門は、銀の丘にある扉と同じデザインで、中央には五芒星が描かれています。
五芒星については人文書院の『高等魔術の教理と祭儀 教理篇・祭儀篇』『魔術の歴史』で錬金術や魔術の観点から詳しく説明されていて、一部を抜き出してみます。
五芒星
・四大元素に対する精神の支配を表明するもの(教理篇p.100)
・霊魂を出頭させることができる(教理篇p.107)
・錬金術師にとって第五元素の徴であり、魔術師にとって大奥義である(『魔術の歴史』p.24)
・四本の手足と一個の頭部に見立てた一つの頂点とをそなえた人体のかたちで、光芒を一つだけ上方へ向けているときは「救世主」を表す(祭儀篇p.66)
・どの方向から眺めてもAという文字を表しているから、「建築(ARCHITECTE)」の謂でもある(祭儀篇p.69)
・パラケルススがあらゆる記号の中で最高最強のものと断言している(祭儀篇p.70)
・魔術師は神の顕現の揺籠(ゆりかご)へ星によって導かれるにふさわしい王者の資格をそなえていることが必要(祭儀篇p.71)
軌跡の門がどういう技術を駆使して作られたのかは不明ですが、兄弟姉妹が作成に協力しているので、たとえばもし錬金術なら、仲間の顕現にも錬金術的作用が働いている可能性は残りますが、やはり答えはわかりません。
また、「顕現」という言葉が兄弟姉妹の説明で何度か出ていました。
意味的には〝キャラの写しが異界内に現れる〟くらいだと思われますが、ちょうどこれと似た文脈の記述が、先ほどの『神智学大要3』p.257に載せられた『バガヴァッド・ギーター』というヒンドゥー圏の詩の翻訳文(第7章)にあります。
「地・水・火・風・空(エーテル)・心・ブッディ・アハムカーラ。これぞわが顕現(プラクリティ)の八種なり。」
「地・水・火・風」は「四大元素」で、エルドナ神やポルテによる創生のチカラの定義や、7.0のメネト村のストーリーなどで出てきます。
「空(エーテル)」は、中世ヨーロッパの錬金術になぞらえるなら「第五元素」に相当し、このゲームの「創生のチカラ」に非常に似ているようです。
「顕現」とは、「プラクリティ」(根本原質のこと)の開展(発達のこと)によって生まれた被造物のことで、
「プラクリティ」とは、「根本原質」と訳される物質的原理のことです(岩波書店『バガヴァッド・ギーター』p.147, 181)。
もしこのゲームの錬金術の文脈にあてはめるなら、「顕現」とは〝四大元素や第五元素を素材に、アカシックレコードとつながっている創生のチカラを利用して、オリジナルの写しを錬金術的に再構成し、異界に誕生させること〟くらいの意味合いという可能性はあるでしょうか。
しかし、まだ軌跡の門が錬金術絡みという情報がないので、これも憶測に過ぎません。
おわり