(以下バージョン7.0までのネタバレがあります。)
ポルテ(バージョン7.0 バカンウグレ遺跡で創失発生直後)
「消え……ちゃった。今の見たよね?
お師匠様の言ってた通りだ。
これが 創失……。」
ポルテ(バージョン7.0 ゼニスの封宮前で女神ゼネシアが去った後)
「ゼニアスが あの伝説の!
とこしえのゆりかご だったなんてね〜。
お師匠様に聞いた話とは ちょっと違ったけど。」
「お師匠様の言ってた通りだ」と「お師匠様に聞いた話とは ちょっと違ったけど」が対比になってストーリーの大きな構造を作っているようですが、
〝ゼニアスはとこしえのゆりかごである〟という女神ゼネシアの言い分が、ポルテの師匠の話とは少し違うそうです。
もしポルテの師匠の話が正しいなら、ゼネシアの言い分はここでも怪しさをうかがわせている可能性はあります。
女神ゼネシアが父グランゼニスと主張する巨人が、主人公たちにこう語りかけます。
「ルティアナの子らよ……
よくぞ ゼニアスへ 帰り来た……」
先ほどのくり返しになりますが、この巨人は主人公たちが「ルティアナの子」であることに(恐らく気配や創生のチカラを根拠に)気付けています。
しかし女神ゼネシアは主人公との初対面時に
「だれ……? そこにいるのは……。」
「(首と目を左右に動かして視覚情報から)あなたがたは…… ゼニアスの住人では ありませんね?」
と、父とは異なる情報を主人公から引き出してしまいました。
ルティアナが死んだという情報をゼネシアが得たのは、ゼニスの封宮内でポルテが口にした
「女神…ルティアナ……!それって しばらく前に 亡くなられた アストルティアの 創造主さまだよねっ!」という言葉からでした。
憶測気味の推測ですが、父やルティアナとは異なり、ゼネシアは創生のチカラを感じ取る能力が神の水準に達していないんでしょうか。
ちなみにジア・ルミナでさえ、バージョン6.2で初対面のレオーネに、ジア・クトと同じ因子を感じると言っていました。
ゼネシアにはさらに問題があり、父が声をあげたことが予想外だったのか、
父の創失の呪いに対し打つ手が無く顔を覆っていた両手が鼻元まで下がると、
ゼネシアは目をぱっちり見開いて驚いた表情になるのですが、
直後に不快そうな目つきに変わり、水平だったまゆげに傾斜がつきます。
驚いた表情だけで終わらなかったので、ゼネシアへの疑念をうかがわせる演出のように感じられました。
バージョン6.0の最後でのフォステイルのニヤリの例もあるので、クロに見せかけるための誤読誘導の可能性もあると思います。
一方、バージョン6.2で、呪いの込められたお守りを双子勇者に配るダフィアの背後から不意にガーニハンの声があがると、ダフィアはビクッとして若干驚きの表情を見せたことはあったのですが、
ゼネシアの驚きの表情はどういう意味を持っているのでしょうか。
なお、ゼニスの封宮でゼネシアは、主人公らを封宮の外へワープさせた後に、
不快そうな表情ではっと気付いたように斜め後ろへふりかえると、創失で消えていなかった燭台が1台残っていて、これが直後に創失で消えてしまいます。
この創失の描写が人為的なものと解釈するとしたら、グランゼニスによるのか、ゼネシアによるのか、その他なのか、だと思います。
しかし、なぜゼネシアは、創失が発生する直前の燭台に不快そうに目線をやり、直後に創失で燭台が消えたのか。
大樹の鳥籠でゼネシアが救出され、世界の様子を見て来ると飛び去った後にも、
聖湖ゼニートへ主人公らが到着すると既に創失が発生した後で双子の少女デニッサがいなくなっていました。
7.0の最後にポルテの師匠が独り語りする際に創失の黒い渦のようなものに巻かれてふり払いますが、ここもゼネシアがいなくなった直後でしたが、真相は不明です。
とはいえ、ゼネシアを独りにした直後に創失が3回も同じバージョン7.0で起き続けるのは不自然です。
そもそもバージョン7.0の創失は、王都キィンベル、バカンウグレ遺跡、聖湖ゼニート、ゼニスの封宮と、主人公の立ち寄った場所でばかり発生しています。
ゼネシアは、創失は父グランゼニスによる呪いと主張するものの、グランゼニスは「ルティアナの子らよ……よくぞゼニアスへ帰り来た……」と主人公らをねぎらっているので、
グランゼニスがねぎらいの言葉をかけた主人公に対し呪いを何度も意図的に仕向けるとは考えにくいのです。
創失の呪いは、たまたま主人公の周囲に発生したのか、それとも主人公に良からぬ思いを抱く者が仕向けたのでしょうか。
おわり