(以下バージョン7.0までのネタバレがあります。)
ガナン帝国城の地下にある「閉ざされた牢獄」地下3階で怪しいと思われるのは、錬金術の器具である天秤、蒸留器、フラスコ、試験管が置かれていることです。
ドラクエ10でもラゼアの風穴の兄弟姉妹の研究室には、天秤、蒸留器、フラスコ、試験管が置かれていて、
テンスの花を作るための錬金術の器具が充実していました。
閉ざされた牢獄地下3階の本棚には錬金術のレシピ「超上級錬金学」も置かれていました。
この研究室は錬金術の研究施設だったのでしょうか。
つまり、天使のチカラを吸い出すための、錬金術の研究をしていた可能性があるのではという憶測です。
ちなみに、現実世界の錬金術では、「牢獄」とは〝対象となる物質の黒色化の作業を行うために入れておく「哲学者の卵」(フラスコのこと)〟などの象徴表現で、
バージョン6.0ではコウリンの白い卵が黒色化しますが、錬金術では錬金の対象となる物質が最初に黒色になることが大前提で、コウリンの卵の黒色化も錬金術の理論にかなっているようでした。
「牢獄」という言葉単体でも錬金術が疑われる余地はあることに加え、天秤、蒸留器、フラスコ、試験管、錬金術のレシピが置かれているので、これらの組み合わせから錬金術の研究施設である疑いを持ってしまいました。
また、「竜/ドラゴン」も現実世界の錬金術では〝腐敗〟〝揮発性物質〟〝翼のある竜は硫黄/翼のない竜は水銀〟などの象徴表現です。
(「揮発性」という言葉はバージョン6のクエスト759で出ています。「天使(の翼)」「雲」も揮発性を表すことがあります。)
錬金術の研究施設の疑いのある上の階に住んでいるガナサダイが自身を「竜」と言い、
すぐ修正されたとはいえドラクエ10の堕天使エルギオスが一時的にドラゴン系だったこと、
ギガントモンキーがけもの系なのにドラゴンの疑いが残っていることを併せると、錬金術的な意味で気がかりでした。
他にドラゴン系で気になるのはデンデロベーとプスゴンです。
デンデロベーはクエスト760で巨大化するとギガデンデロベーになりますが、ドラゴン系でした。
デンデロベーはひょうたんを持っていましたが、今年の第12回アストルティア・クイーン総選挙で、メレアーデがくれたチョコに対し、ひょうたん型という説明が書かれました。
メレアーデはこれを永久時環をモデルに作ったと言いました。
永久時環はレトリウスと錬金術師ユマテルの共作です。
「ひょうたん」は現実世界の錬金術では「ククルビタ」と呼ばれるひょうたん型蒸留器のことで、永久時環は錬金術で作られている可能性はありそうです。
デンデロベーに怪しさを感じたのは「ひょうたん」「ドラゴン系」と根拠が2つあることです。
プスゴンはバージョン7.0時点でもなお出所が不明の魔物ですが、ギガデンデロベーと外見は似ていて「ドラゴン系」です。
また、イチゴ爆弾が赤と緑の配色で、リンゴのピアスや筆頭研究員の服などのように錬金術を示唆する可能性のある配色で、
バージョン4.4のクエスト560「在りし日の姿へ」で宇宙船アルウェーンを画家のアルディゴが描いた絵が見られますが、赤と緑のイチゴで表現されていました(詳細は日誌「プクラスの謎」にあります)。
最後にドラゴン系の話とは無関係な蛇足になってしまうんですが、バージョン6.5の魔眼の月で、ジア・レド・ゲノスがメルド結晶化するために入り込んだ卵の黄身のような形をした場所がありましたが、
あれと似たものが、スイの塔の屋上の、プスゴンのいた天ツ風の間の天井に照明としてかけられています。
ただの偶然なのか、意味のある偶然の一致なのか、謎として残ってしまっているようです。
(この日誌の記述には、白水社の『錬金術』、アルファベータブックスの『錬金術のイメージ・シンボル事典』、白水社の『象形寓意図の書』などを参照しました。)
おわり