(以下バージョン7.1までのネタバレがあります。)
メネト村のストーリーの補足のつづきです。
・意識は、シャープな評価や判断を行うという役目を果たすために、物事を二律背反的に考えようとする。
無意識は、意識が切り捨ててしまった半面を思い出せ、と意識に迫る。これは心の全体性の実現に不可欠である。
・夢には矛盾やパラドックスが生じやすく、夢から覚めた直後には覚えていることが多いが、時間の経過とともに忘れてしまいやすい。
トープス
「以前 眠ったメネト村で 君たちと出会った
無力な俺は 守護天使の俺が見ている
夢が さまよっていたものだったんだよ。」
ティセ
「へへっ……なんだか 天使のトープスって
大人っぽくて 変な感じ!」
夢の中のトープスは初対面のヒューザから逃げ出すなど頼りなさげでしたが、
守護天使のトープスは自分の考えを主人公らにしっかり述べるなど大人っぽい感じがありました。
現実の大人っぽいトープスが切り捨てた頼りなさが夢に現れたようにも思えます。
あくむにゅうどう
「ヒヒヒ……。(ティセは)
眠っている時は けっこう かわいかったんだけどよぉ
しゃべると 生意気なんだなぁ〜。」
このセリフも、ティセが起きている時と眠っている時(夢の中)とでの印象の違いを説明しているようです。
眠っている夢のなかにいる「私」(夢自我)と似ていて、夢が一人歩きして現実世界に現れたトープスは無力な少年としてティセに花を捧げます。
しかしそれだけではなく、恐らく主人公らの見えないところで翼のある天使として崖上の花を摘みに行くというパラドックスが起きていたようなのです。
これはなぜなのかというと、夢なのでつじつまがあわないものの話は進行してしまっているためではと推測できます。
7.1でアスバルが、トープスが夢の中で創生のチカラを込めた花冠を作ったと話していることから、あの崖上に咲いていたトープスの髪色(サンセット)の守護天使のガーベラを、なぜ夢が一人歩きした翼のない無力な少年トープスが取りに行けたのか。
ただの少年が翼もなしに花を崖上に摘みに行けるのは普通に考えたらおかしいです。
また、7.0のメネト村の話のラストで、起きたティセに特別な花束を用意するためにトープスは姿を消すのですが、ヒューザが「あいつ 遅えな……。」と愚痴をこぼす程に時間がかかっていて、もしかしたら他人が見えていない範囲では翼が生えて花を集めに行っていたのでしょうか。
いずれにしても7.0の最初でトープスがティセに花を捧げ、ティセが反応しないことに感情をあらわにして無力そうに嘆き悲しむ場面が、夢の一人歩きの伏線の働きをし始めて以降、夢の伏線は複数描かれ続けていたようです。
暁の使者コッケン(バージョン7.1 暁の神殿 入口)
「それに お前のその比類なき波動 覚えておる。
お前の祈りは メネトのヤドリギより
吾輩のもとへと 確かに 届いていたからなッ!」
暁の使者コッケン(バージョン7.1 暁の神殿)
「特に そこの マヌケ面の お前ッ!
お前から 類まれなる善の波動を 感じるッ!」
「波動」はゲーム中で何度か使われている言葉で、レベル上限解放クエストでチャミミとホウガイが使っていました。
また、メガルーラストーン解放クエストで「我々の世界の法則とは 異なる法則を持つ波動」である「ルランタム」の話が描かれました。
文脈的に〝特定の周波数を持つエネルギー〟くらいの意味合いでしょうか。
コッケンも、主人公の目に見えない力を感じ取れています。
バージョン6.4でレクタリスや女神ルティアナは主人公の特別な創生のチカラに即座に気付いていました。
6.0では天星郷の普通の天使ディジーも主人公のオーラが見えると言っていましたし、ラダ・ガートも初対面の時の選択肢で「いいえ」を選ぶと主人公にみずみずしい生者の気を感じると話していました。
では、なぜ7.0で女神ゼネシアは主人公から特別な創生のチカラや類まれな波動などを感じ取ったという発言をしなかったのでしょうか。
やはり彼女への疑念が残ったままになっていて、それを打ち消す話が7.1では出て来なかったと思います。
おわり