(以下バージョン7.1までのネタバレがあります。)
バージョン7.1のムニエカの町のストーリー冒頭で、エドアルドが主人公に、結晶の森の北にある洞くつにエメラルドを採ってくるよう要求してきます。
このエメラルドは人形のルーミリアの目としてはめこまれますが、何も起こりませんでした。
確かに守護天使ルーミリアの目はエメラルド色ですし、ここで何かが起こらなくても話の筋に問題は見られません。
しかしエドアルドは「神秘的な輝きを放つエメラルド」と熱弁していました。
現実世界では古来より宝石や鉱物には神秘的な力や医学的な力があると考えられていて、
『偽アリストテレスの鉱物論』『プリニウス博物誌(第37巻)』『リティカ』『アルベルトゥス・マグヌスの鉱物論』など無数の解説書があります。
11世紀末にフランスのマルボドゥスという司教により書かれた『石について』という本で、
スマラグドゥス(エメラルドのこと)についてこういう記述があります。
「この石は、隠れ場所を捜す人たちに役立つという」
ポルテ
「前にね この町で 不思議な存在の気配を感じたの。
もしかして あれが天使だったのかな……。」
ナブレット団長
「……なぁ 主人公。
ルーミリアを 捜すことになってから
ドロテアが 元気なさそうに見えるんだが……。
無理もねぇ。好きな相手の想い人が
帰ってくるかも しれないんだもんな。
わかるだろ? 失恋確定ってやつさ。」
エステラ
「ルーミリアさんが 町のどこかに
今もいるとすれば……まだ捜していない
町の地下にいる可能性が 高いのでは?」
7.1ムニエカのストーリーを読み直すと、ポルテ・ナブレット・エステラは皆間違ったことを口走っていて、上記のテキストは全て誤読誘導になっているようです。
ムニエカの町から東にあるルーミリアの小屋にある日記に書かれた情報からムニエカの深層へのカギが手に入りますが、
・日記を天井に秘匿
・ムニエカの深層へのカギを、町の住人3人に、暗証を付して秘匿
・ムニエカの深層のエレベーターは、ルーミリア=ドロテアの声にのみ反応して作動する
という3重ロックが施されていました。
味方の誤読誘導と3重ロックという苦難を乗り越えて、浄化の聖花石のあるムニエカの深層地下3階に到達できましたが、
これがエメラルドの神秘的な力によるものだったという読み方は一応可能でしょうか。
実際にエメラルドがここまで誘導してくれた証拠は何ひとつありません。
それでも、「神秘的な輝きを放つエメラルド」というエドアルドのセリフに意味があったとするなら、
「隠れ場所を捜す人たちに役立つ」というエメラルドの目に見えない神秘的作用が働き、
ドロテアという、守護天使ルーミリアの隠し場所が見つかりつつも、
自己主張をしないからこそ宝石は神秘的だと言えると思います。
なお、ムニエカの深層で倒れたエドアルドに攻撃を加えようとする天使人形ルーミリアに対し、におうだちの姿勢で宙に浮いたドロテアは、白い光に包まれていました。
勇者覚醒の光をアグラニの町のホッツィ親方は「真っ白い光」と言い、バージョン5.5でジャゴヌバ討伐後の祝勝会で現れたナジーンも白い光をまとっていて、何か神聖な意味合いが白い光にあるのでしょうか。
おわり