(以下バージョン7.3までのネタバレがあります。)
バージョン6.2で登場した天使ゲゼルマイン。
天使長ミトラーによると先代の天使長との話ですが、ゲゼルマインからミトラーへ天使長のバトンが渡された時期や、ゲゼルマインがいつから天使長に就任していたかはわかりません。
すると、バージョン6.5クリア後のクエスト758「勇者の歴史書」で描かれていた、1000年前に星導会議で天使ヒースフィムの翼を封じ地上へ追放した際の天使長がミトラーなのかゲゼルマインなのかあるいはその他なのか不明のままです。
ヒースフィムは天星郷で編纂された勇者アジールの書をアルヴァンに渡すことで、アルヴァンを勇者として目覚めさせるきっかけを与えましたが、
星導会議は天使の地上への干渉を罪とみなし、ヒースフィムを天星郷から追放したのでした。
しかし、バージョン6クリア後のクエスト760「死へと導く獣の伝承」の最後で天使ファビエルは「守り人」という言葉を用いて、天使が地上を危機から守るという舵取りをすることを誓っています。
「守り人」はバージョン7.1のタイトル「ゆりかごの守り人」でも使われていて、指しているのは主人公に加え、いわゆる第二世代の守護天使(マギエルら)ではないかと思われます。
7.1終盤のマギエルによると、マギエルたちはゼニアスを守るため創造神グランゼニスに創られた「守り人」なので、
天星郷の天使たちが守り人になるということは、国防や治安維持といった地上への干渉を天使が行っても良いという意味のようです。
ちなみにミトラーは、導きの天使ティアン(クエスト712)や同じく導きの天使ユーライザが罪付きとなっても翼を封じたり地上へ追放したりすることはなく、頑張り次第では罪がそそがれ昇進までも可能であるという考えを持っていたようで、
6.1まで暗躍していたヘルヴェルや、天の聖壇に結晶化の被害をもたらしたジア・クトの幹部ジア・ルーベでさえも軟禁扱いでした。
もし1000年前の天使長がミトラーならヒースフィムの扱いは違ったものになったのではないかと推測されます。
ただし、ゲゼルマインの天使長としての任期がいつからいつまでだったのか不明なので、現時点ではゲゼルマインをクロと断定するのは早計のようです。
しかし、天星郷の本棚にある記録書『星導秘録』では、星導会議が英雄候補を落選とする理由が、アストルティアの常識とはかけ離れた、ほぼ言いがかりのような内容ばかり書かれていました。
もし1000年前の星導会議に当時の天使長が含まれていたなら、誰が天使長だったのか疑う余地は残っているはずです。
そして、バージョン7では創失により歴史や記憶の改変がもたらされることや、7.2では創失を招くものが時間のゆがみを起こすこともできることがわかったことで、
果たしてバージョン6での天星郷の天使たちの歴史や記憶、時間の流れは正常だったのか、検証する必要は今後出てくると思います。
バージョン6で歴史や記憶の改変の疑いが残る出来事が20程度はあったようです。
また、バージョン6.3で初対面となったテトラルの最初のセリフはこうでした。
「あら……。
天使長が 代替わりして ご挨拶に
いらしたのかしら……と思ったのだけれど……
どうやら 違うみたい……。」
不可解なのは「ご挨拶にいらした」の、「ご」「いらした」というふたつの尊敬語です。
これ以降、目の前にいる主人公・ユーライザ・フォステイルに対しテトラルは敬語を使いませんし、
天使長ミトラーのことは「友人」「友達」と考えていて同様に敬語は使われず、むしろミトラーやユーライザがテトラルに対し敬語を使っていました。
この文の直前には「天使長が代替わりして」という文脈があるので、この敬語はゲゼルマインに対してのものという可能性は一応残ると思います。
6.3のミトラーによると、テトラルの隠されている結晶の間は原則として歴代天使長だけが入室を許されていたそうだからです。
この場合めったに結晶の間を訪れないゲゼルマインへの皮肉としてテトラルが敬語を用いた可能性はあるでしょうか。
ただし、こちらもゲゼルマインをクロと特定し切るだけの根拠はなかったです。
ゲゼルマインの謎(2)へ続きます。