(以下バージョン7.5までのネタバレがあります。)
バージョン6.2の神話時代末期に登場しゼドラ族の政権を掌握したダフィア。
彼女の名前の語源について妄想してみたいと思います。
根拠が弱いためあくまで〝妄想〟です。
北欧で「Dagheiðr」という女性名があり、この表記はデンマーク語になります。
(この音がやや崩れたものはノルウェー、スウェーデンなどでも使われているそうです。)
https://www.howtopronounce.com/danish/daghei%C3%B0r
上記urlは発音の確認サイトですが、いくつかある再生ボタンを押すと、
「ダフィア」「ダフィー」などの音が聴こえると思います。
ではなぜこの単語を挙げたかというと、音が似ているというのもあるのですが、
ダフィアは古き神の遺跡(グランゼニス宮)で巫女として働いていて、
この遺跡は位置的にソーラリア峡谷の奥地になります。
過去の日誌「ソーラリア峡谷の語源について考える」で書いていたんですが、
『ヘイムスクリングラ』というサガを著したスノリ・ストゥルルソンの同著作によると、
「ソーリル」「ソーラリン」といった人名は、北欧神話に登場する「ソール(トールとも)」が由来だそうです。
これらに音がよく似た「ソーラリア」という音が北欧(神話)由来という可能性は一応残ると思います。
そして、「Dagheiðr」という女性名の「heiðr」が問題で、
この一語でなら「ヘイズ」と発音でき、北欧神話『エッダ』の「巫女の予言」に登場する女魔法使いを意味する可能性があります。
ヘイズは異界アスタルジアで「ヘイズ***」という名前のボスが複数出ていましたが関連は不明です。
「ヘイズ」には「光り輝く者」の意味もあり、大修館書店の『北欧・ゲルマン神話シンボル事典』p.201「ヘイズ」によると、
「ヘイズという名が北欧神話で多くの女予言者たちを形容する語句(「栄光のある輝かしい女予言者」)に当てられている」とあります。
北欧由来の可能性を持つ言葉「ソーラリア」「ヘイズ」が一箇所に固まっているのは意味があるのかどうか。
そしてこれらの言葉は、知恵の社にある『シグルド戦記』やクエスト『人形たちのラグナロク』との関連はあるのかどうか。
もし「ソーラリア」の「ソーラ」が、「ソール」こと「トール」なら、『人形たちのラグナロク』に登場したチカラの賢人トールはいったい何者で、ソーラリア峡谷と関わりはあるのかどうか。
「光り輝く者」の意味を持つ言葉はゲーム中にいくつか出てきていましたが、
フォステイルは、もし初期キリスト教文書の『ナグ・ハマディ文書』で登場している「フォーステール」(光り輝く者)由来としたら、
ダフィアとフォステイルは接点はあるのかどうか。
デフェル荒野の「デフェル」は「ダフィア」の訛りのようにも見えますが双方はどういう関係にあるのか。
ダフィアがレオーネの石化に使った呪いのお守りと、女神ゼネシアの石化の能力に関係はあるのかどうか。
新潮社の『エッダ』p.20によると、アース神族(オーディンなど)に魔法を教えたのはヴァン神族のフレイヤという一説が書かれていて、
「ヘイズ」の直前に描かれている「グルヴェイグ」という魔女をフレイヤと同一視する一説もあります。
フレイヤは『人形たちのラグナロク』で同名の人形(愛の賢人フレイヤ)が登場していますが関連は不明です。
また、東京書籍の『北欧神話』p.51、p.54によると、グルヴェイグとヘイズを同一視する一説が紹介され、
上述のスノリが、フレイヤはヘイズと同様に呪術(セイズ)を神々にもたらした最初の人と主張したという一説もあります。
結局のところ、ヘイズ(heiðr)という言葉がダフィアに組み込まれているのか、違うのかが、ここまで妄想を引っ張った根本的な疑問になります。
ダフィアには謎が多く、今後の再登場が期待されます。
おわり