(以下バージョン7.6(前期)までのネタバレがあります。)
日誌(22)(27)でまとめていた、「水」の意味のある偶然の一致(共時性)ですが、
バージョン7のストーリーが一応終わったので、追加分も入れて今一度まとめてみます。
バージョン7.0
精霊の泉の水を〝水やり〟した木槌で、ムニエカの町の住人セアトロを修理した
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バージョン7.1
サブクエスト784「約束の花冠」(バージョン7.5の前提クエスト)で、高台の枯れた花に主人公が天使のソーマを〝水やり〟した
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バージョン7.2
サブクエスト794「ゆりかごの語り部」(バージョン7.6の前提クエスト)クリア後にルティアナの部屋に入ると、
周囲にある花への〝水やり〟用と思しき水差しが置かれていた
(この水差しと同じと思しきものが古フォーリオンの宿屋に置かれていたことも気付きの一因に)
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バージョン7.3
サブクエスト797「あの炎がおっかねえ」でレイジバルスが魔王アスバルに水をまき散らした(〝水やり〟)
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バージョン7.4
世界球根でキュルル機巧体が水没した(機巧体への〝水やり〟)
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バージョン7.5
女神ゼネシアに小型化され無力化したラキが涙をこぼした(ゼニアスの大地への〝水やり〟)
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雨が降る時だけ現れる「雨の中の幻」と主人公は出会った(主人公への〝水やり〟)
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バージョン7.6
創失の世界へ落下するポルテの涙が女神ゼネシアへ届いた(ゼネシアへの〝水やり〟)
〝同じようなものごとが続けて起こるのが目に入る〟という、共時性の「連続性」のような〝水やり〟が、バージョン7では一貫して見られました。
ラキの涙による大地への水やりは女神セレシアを目覚めさせる契機となっていて、
ポルテの涙がフードの創失者に届き女神ゼネシアを一時的に復活させたこととよく似ています。
日誌「創失の世界について考える」で書いたんですが、創失の呪いを受けて肉体を失うことや、
創失の世界に一時的に移動した人型の黒い魂に創生のチカラが与えられると元の世界に肉体や意志がそのまま復元されましたが、
こうした一連の過程が現実世界の錬金術とよく似ています。
もし「涙」も錬金術に関するものだとすると、アルファベータブックスの『錬金術のイメージ・シンボル事典』p.309-310によると、
〝黒色化して死んでいる素材を浄化する水銀の水〟
〝不純物を洗い落とし、活性化作用を持つ魂を、黒色化の次の工程であるアルベド(白色化)で受け入れ可能な用意を整えさせる恩寵の水銀の水〟
を象徴するそうで、同義語として「雨」「露」などがあるそうです。
もしここで錬金術視点で推論するなら、創失の呪いを受けての肉体の「溶解」の過程では四大元素で水が優位となることで「涙」が現れ、
その「涙」は黒色化したフードの創失者を浄化し、魂を活性化させる錬金術的な作用があった可能性はあるのでしょうか。
ここまでポルテ一族が肉体や魂の溶解や結合をくり返していることから、涙が単に女神ゼネシアが受け取るポルテの想いが詰まっているものというだけではなく、
フードの創失者に女神ゼネシアの威厳を取り戻させる浄化機能を持っていた可能性は一応残ると思います。
ちなみに、ドラクエ4ではエルフ女性のロザリーが流したルビーの涙が、進化の秘宝で我を失ったデスピサロを魔族ピサロに戻す働きがありましたが、涙による浄化作用というところがゲームを越えた意味のある偶然の一致(共時性)のようにも見えます。
それだけでなく、ピサロとロザリーの間では「名付け」も行われていました。
シナリオ班はドラクエ4のことを意識しながらバージョン7を作った可能性はあるのでしょうか。
ピサロ
「エルフの娘。
名は なんというのだ。」
*
「……名前?
わたしたち 森に暮らす者に……
名前など ありません。」
ピサロ
「うーむ そういうものか。
しかし エルフの娘では
呼ぶにも 面倒だな。
よし。ならば お前は
今日から ロザリーと名乗るといい。」
*
「ロザリー……?」
ピサロ
「わたしが 地上で
世話になっている村から
とった名だ。気に入らないか?」
*
「いえ。ただ 今まで人に名前で
呼ばれたことが ないので……。」
ピサロ
「ロザリー。いつか お前を
その村に 招待しよう。
それまで
人間どもに つかまらぬよう
気をつけるのだぞ。
また 会いに来よう。
わたしの名前は ピサロだ。
おぼえておいてくれ。」
*
「………………。
ピサロ…さま……。」
意味のある偶然の一致(共時性)について(36)へ続きます。