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ビギナーズラック

ヴォーティ

[ヴォーティ]

キャラID
: HP634-304
種 族
: 人間
性 別
: 男
職 業
: パラディン
レベル
: 93

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ヴォーティの冒険日誌

2025-10-03 20:55:17.0 テーマ:その他

【前編です】オッサン、学生時代に友人とやったショートコントを書く。少しでも笑ってもらえたら幸いです。まぁ息抜きってやつだね。

真夜中のコンビニ。
熱帯夜の外気から隔絶された店内はやや過剰な冷房によって少し肌寒く、俺と相対する人物もどこか落ち着かない様子だった。
水色の制服に包まれた恰幅のよい体、メガネの奥の緩やかな垂れ目、若干人工的な黒塗りの七三分け。
四十歳ほどに見える目の前の男性はこのコンビニの店長で、今日から俺の雇用主となる。

「これからよろしくね」
「よ、よろしくお願いします」

短いながらも温和な色をにじませた店長の挨拶に、俺はぎこちない返事をした。
人生初のバイトなためかどうしても緊張を隠せない。意識していても視線が下がってしまう。
まだ十九歳の学生なのだし仕方無いと心の中で言い訳。

「ま、そんなに硬くなるなって」

ふふん、と笑いながら店長が言う。優しくていい人じゃないか。この人となら上手くやっていける、そんな気がした。

「じゃあ早速接客の基本から教えていこうか」
「あ、はい。ではお願いします」

ここからが本番だ。両足に力を入れ、緊張を無理やり抑え込む。

「商品を持ったお客様がレジにいらっしゃったとしよう。さて最初になんて言う?まあ簡単だよね」
「当店では性的なサービスはご遠慮いただいておりまして」
「うん、ちょっとおかしくないかな」
「ああ、この店はアリな方なんですか」
「そうじゃねえよナシな方だよ!それ求めてコンビニにくる客はいないと思うけど!?」

いや、今の世の中なにを要求されるかわかったものじゃない。素敵なおねーさんに『ねえキミ、あたしにいけないサービスしてくれないカナ?』などと言われてしまう可能性も決してゼロではないはずだ。
そしてコンビニ店員としての義務と男としての本能、どちらを取るかで揺れる俺。やがて二人は禁断の恋に――そんな展開を希望したいです。

「まあそれはともかく。さ、店長どうぞ続きを」
「ああうん……さっきの緊張してた姿が嘘のようだね」

三十分ほどの時間をかけてレジの操作や基本的な接客方法を教えて貰う。
店長は『ポイントカードの確認は忘れやすいから必ずしよう』ということを特に強調していた。あれ毎回聞かれると正直煩わしいよね。

「さて次はクレーム対応について少し話しておこうか」
「クレーム…ですか?」

疑問を込めて口にする。
最近はよく耳にする単語だが、その対応となると学生には少々ハードルが高い。

「うん。これはとてもデリケートな問題だから」
「店長の不自然に黒光りした髪のようにでしょうか」「そうだねデリケートだね!?出来ればもうちょっと濁して!」
「頭髪の不自由な方」
「へへ…なんだかその配慮が心に痛えや」
「約束の地に根を封印されしモノ」
「なんでちょっとカッコいいんだよ!逆にすげえ嫌だよ!」

俺もいつかは約束の地に根を封印されしモノになってしまうのだろうか。そう考えるとちょっとブルーになる。

「と、とにかく一言で言えば、クレームには反論しないのがコツだから」
「肝に銘じておきます」
「信用できねぇ」

いつの間にか信頼を失いかけているような気がする。なぜだ。
仕方ない、ここはデキる男を見せつけてやらなければなるまい。
俺は店長の呼吸が落ち着くのを待ってから話を切り出した。

「ではちょっと練習してみましょうか。店長、クレーマー役をお願いします」
「お、何か自信ありげだね」

『やってみるか』と言いながら目をギラギラとさせいやらしい笑みを見せる店長。
あまりにアレだ、アレすぎる。少なくともコンビニ店長的な表情ではないだろう。
性犯罪界へFA宣言するべきだと思いました。頑張れ未来のホープ。

そして一旦レジを出た店長がこちらに向かって歩いてきた。俺と相対する位置で立ち止まり、少し低くした声色で話しだす。

「おう兄ちゃん、ちょっといいか?」
「申し訳ありませんお客様、全裸でのご入店はちょっと」
「着てるから!バッチリフル装備だから!」
「あ、着てるパターンで?」
「着てるパターンだよ!長いこと店長やってるけど着てないパターンなんて見たことねえよ!」

HAHAHAソウデスカーと適当に流しておく。こちらを見る店長の血走った目が印象的である。

中編へ続く!!
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