2月9日(土)深夜の1時半。
愛するチームメンバー達がスコルパイド3と激闘を繰り広げる時…
俺もまた別の強敵と相対していた。
卓を中心に左右正面にいる3体の魔物だ。
左側に鎮座するのは、身長190オーバーの巨躯。
筋肉はあれだが、大きさはリアルオーガーのS氏。
20代前半から接待麻雀で磨かれた巧みな技術は今も健在。
手堅い打ち筋と、ここぞと言う時に魅せる引きの強さ。
王道中の王道とも呼べる正統派雀士。
正面に相対するは、愛嬌のあるユニークな顔をした中年男性。E氏。
その柔和な雰囲気に騙されてはいけない。
麻雀の打ち筋にその人の人生が見えると言われるが、それは大袈裟な話ではない。
持ち前の強運だけで、ある意味波乱万丈な人生を生き抜いて来た彼はまさにトリックスター。
てか、ぶっちゃけ頭がおかしい。
あまりにも理解不能な打ち回しに混乱し、彼の前に倒れた雀士も少なくはない。
右側で殺気を放つ男。T氏。
たかが仕事関係の身内麻雀で、なんでそんな人殺しみたいな目をして打てるのか?
酒、女、ギャンブルに人生の多くを捧げてきた彼も、40にして出来た子供のおかげで、すっかり丸くなってしまったなと思わされていたが…
やはり鬼は鬼。
一度勝負の場に出てくれば昔の顔がさらけだされる。
波に乗った時の彼を止めれる者は少ない。
認めたくはないが、この3人の魔物に比べると俺は格下。
「意外と面白くない麻雀するね(笑)」
と、言われた事があるくらい、平凡な打ち手だ。
魔物との戦いは熾烈を極めた。
ちらりとスマホを確認するとチムチャは静かだ。
だが、俺は知っている。
6名のメンバー達がスコルパイドと死闘を繰り広げている事を。
本当は一緒にスコルパイドと戦いたかった。
こんな今だに缶ピースとか吸ってるおやじがいるような、タバコ臭い雀荘ではなく。
何も無いが落ち着く我が家で、楽しくドラクエXをしていたかった。
付き合いってなんだ?
マジ、リアル滅びろ。
半荘2回、死闘の末に。
俺は……生き残る。
トップは雀鬼T氏。
3人が派手に打ち合いをする中、ただただ静かに振り込まずに確実に上がれる時だけ安い手でも上がるを繰り返し。
プラスの2位でフィニッシュ。
うちのメンバー達も戦いが終わったようだ。勝った人もいれば、負けた人もいるが…お疲れ様。
俺もその場にはいなかったが、心は共にあったよ。
え?別に居なくていい?
……ですよね!
さて、長い前置きは終わり、今日の本題です。
俺、スコルパイド3の練習がしたかったです。
[完]