![](https://cache.hiroba.dqx.jp/dq_resource/img/picture/fail/no_login_0.png)
「あれからもう十数年か・・・。」
冒頭の言葉は私がまだ、ハタチそこそこのとき叔父から言われた一言。
当時まだ、ブログとはいえ昨今みたいなコミュニケーションツールではなく、とても簡素なものでした。
今みたいに友達を検索したり、同じ趣味を持った仲間を探したりというものはなく、世の中の目に触れるチャンスはトップページの新着記事として載った瞬間のみでした。
どんどん記事が更新されていく中に埋もれるなんてザラで、自分をアピールしたい年頃の私には歯がゆさも覚えていたものの、自宅に居ながらにして世の中に自分をアピールできるということが嬉しく、毎日のように拙い日記を書いては更新していました。
そして
最初は恐る恐るだった更新も、不特定多数に見られるという怖さが薄れ、そのうちに
当り障りのない記事書いて何が面白いんだ?
今となって思い返しても勘違い甚だしい思い違いをするようにまでなっていました。
次第に言葉は辛辣になり、会社の不平不満、そこからくる心の闇を書き綴り、皮肉にも似た独りよがりでシャレにならないブラックジョークを、そこに吐き出していました。
当時はまだ、不特定多数の人に見られるということが、どれだけ恐ろしいか、文字だけの羅列がどれだけの人を傷つけるか、そういうことを少しも考えもせず、読んだ人が「おもしろい!」と思ってくれるものだと信じていましたし、それを疑いもしていませんでした。
そして、ある程度心の闇の結晶がたまった頃、私は叔父に喜々として書き綴ったそれを見せることにしました。
当然、読んだ感想が
「なかなか面白いものを書くね。」
だと信じて。
でも、実際の言葉は違うものでした。
「お前よ、そんなん書き連ねて何が面白いのよ?んで、こんなもん読んで誰が得すんのよ?内容はほとんど不平不満と独りよがりの理論垂れ流してるだらけじゃねぇか。一応面白くしようと努力はしてるみたいだけど、読んだ人がお前に対してどんなこと思うか考えたことあるか?」
「え・・・?」
いや、確かに言葉は辛辣だけど、面白くしたよ?
今流行りのジョークだって盛り込んでんじゃん。心のなかで何でわかってくれないんだ、そんなことを思っていたことを未だに覚えています。
「『え?』じゃねぇよ、客観的に自分の文章読んだことあんのか?自分じゃねぇ、どこかの誰かがこれ書いたと仮定してよ、書いたのどんやヤツだと思うよ。」
「いや、でも、ぼかした文章なんて読んだってだれも面白くないじゃん。」
「お前アホか?いやまぁ、今はわかんねぇだろうな、どうせ書くならもっと楽しいこと書けよ、人の不平不満なんて読んだって誰が面白いよ。」
「・・・。」
「俺がこれ読んだ感想な、ちっとも面白くねぇし、どこぞのガキが世の中知ったフリして痛いこと書いてるだけ、ただのかまってちゃんとしか思えねぇ、書いた人間とは付き合いたいとも知り合いたいとも思わないね。」
「・・・なんもそこまで。」
「一言言っておくぞ、こんなんばっか書いてると近いうちにイタい目みるぞ。ネットの社会は怖いんだ。いいか?ネット上に何かを残すことの怖さをもっかいちゃんと考えてから記事書けな。」
「・・・。」
当時の私はまだ、その意味を理解できませんでした。
頭の中に『やっぱジジイにはわかんないか、この面白さが。』くらいの気持ちで、相も変わらず書き続けた結果・・・。
![](https://cache.hiroba.dqx.jp/dq_resource/img/picture/fail/no_login_0.png)
「いやーあの後、どえらいことになっちゃったんだよねぇwww」
「あーはいはい、アナタがイタいのは重々承知ですから今更何とも思いませんよ。それで?どんだけどえらいことになったんですか?」
「・・・それは言えない。」
「ちゃんと引くことを覚えましたね。ちょっとは成長したんじゃないですか?ほんのちょっとですが。」
‐あとがき‐
今となっては笑い話、そしていい教訓になってます。そして、これが今私が体験したどえらいことになってたら人生軽く狂うところでした。
あの時、叔父が言った意味をちゃんともっと理解しよう、わかろうとしていたら、こんな失敗はしなかったのだと思います。
最近は、携帯などで気軽に手軽に自分の事を世界に発信することが出来てしまいますね。
当時の私に今の機能を持たせたら軽く人生詰むんじゃないかと、ネットが今のように普及する前に気づいて本当に良かったと思ってます。
いあまぁ
最近の子供は人生ハードモードだよなぁ・・・。
この間フレと喋っていてふっと、そういったことを思い出したので、自分の行いを振り返る意味でここに記しておくことにしました。