前回の日誌はコチラ。↓
http://hiroba.dqx.jp/sc/diary/603265801984/view/5120667/
続きです。
果たして、エステラさんはこの「古い祈祷書」をどこで目にしたのでしょうか?
幼少期に聖鳥を崇めるマティルの村で過ごしていたならば、日々の暮らしの中で聖鳥に祈りを捧げていたとしても不自然ではないでしょう。
しかし、まだあどけない少女であったエステラさんが(アストルティア創世記の設定資料によると、12歳と書いてあります)古代文字で書かれた古い祈祷書の意味と内容を理解して祈りを捧げる時に用いていたとは些か考えにくいのです。
とすると、残る可能性は?
マティルの村で疫病により家族を全て失った後、エステラさんはナドラガ教団の総主教オルストフに出会い、教団に身を寄せます。
おそらく、ナドラガ教団での神官としての修行の中で、「古代文字で書かれた古い祈祷書」を読む機会があったのでしょう。
だとすれば、その祈祷を捧げる相手はナドラガ神しかいません。
しかし、ナドラガ神は神代の戦争において邪神に堕ち、他の種族神たちに封印されてしまいます。
言わば、ナドラガ神のための祈祷書とは、「邪神に対する祈りのための書」であるわけです。
そのような物が存在することを、他の種族神たちや眷属である聖獣たちが看過するでしょうか。
言葉には力があります。
いわゆる「言霊」というものです。
現実世界ならともかく、ファンタジーをモチーフとしている「ドラゴンクエスト」の世界なら、言葉が力を持つことは確かな事実です。
邪神ナドラガに祈りを捧げるために用いられる、力を持った古代文字(ナドラガンド文字)
それは、他の種族神たちにとっても放置しておくことのできない物だったのではないでしょうか?
おそらく、
【ナドラガンド文字は存在していたが、邪神ナドラガと密接に結びつく「言霊を秘めた文字」であったため、他の種族神たちによって使用を禁じられるなどして、竜族の間で日常的に使われることはなくなった。ただし、一部の古文書などにはナドラガンド文字が残されており、完全に消滅することはなかった。また、ナドラガ神復活を目論む総主教オルストフにより、ナドラガ神に祈りを捧げるための祈祷書が復刻されるなどして、それが若い世代の竜族であるエステラにもナドラガンド文字に触れる機会を与えた。】
こういうことなのではないでしょうか?
しかし、そうするとこの、冥闇の聖塔の石碑に古代文字を刻んだのは誰なのか?
実は、この古代文字が記された碑は他にもあるのです。
次の写真をご覧ください。
冥闇の聖塔の外、「楽園」に建っている碑です。
電子基板のような独特の模様の碑ですが、少々読みづらいものの前述の石碑に刻まれたものと同じ文字が刻まれています。
この文字も、件のブログの方が解読して下さっていました。
その方の解読によると、以下のような訳だそうです。
『楽園に来れば
毒や病に
苦しめられず
生きて行けるが
ロボに襲われる
楽園もロボも
竜族が
つくったものではない』
「竜族が作ったものではない」!
予想は出来ていたけれど、こうして碑文に書かれているということは、事実だと考えて間違いないでしょう。
では、誰が作ったのか?
各領界の聖塔は、それぞれの領界を封印した種族神が作ったものです。
だとすれば、闇の領界を封印したドワーフの種族神、地の神ワギが楽園もロボも聖塔も作ったと考えるのが妥当です。
そして、この古代文字(ナドラガンド文字)の石碑や碑文を記したのも、おそらくはワギ、もしくはその眷属の聖獣だと思われます。
ワギは闇の領界の竜族たちに、毒に侵された地で苦しみながら生きるという罰を与えたことを迷っていました。
「その裁きは本当に正しかったのか?」
竜族に対する救済措置として、毒を浄化する「月」を用意し、時が来れば楽園へと至れる「聖塔」の最下端が闇の辺獄へと到達するように取りはからったとはいえ、罪悪感があったのでしょう。
結果的に主人公が竜族に許しを与える「新たなる裁定者」となるわけですが、ワギは、竜族自らが自分たちの罪を購い、自分たち自身を許し、楽園へと到達することを願っていたのかもしれません。
だからこそ、レンダーシア文字でもなく、自分の守護種族であるドワチャッカ文字でもなく、竜族本来の文字(古代文字)での碑文を残したのかもしれません。
知識や技術を司る神であるワギだからこそ、竜族の「文字」という知識・技術・文化の象徴を残したかったのかもしれません。
以上が、① 「ナドラガンド文字」は存在しないのか?
についての考察です。