注意!
【この日誌には以下のクエストのネタバレが含まれております】
○ 天地雷鳴士職業クエスト
○ キャラクターズファイル ヨイ越しの絆
○ ワクワク温泉ライフ!?
【この日誌は妄想二次創作ネタ日誌です。広い心でお読み下さい】
よろしいでしょうか?
因果の罪業を調伏し、アサヒとの絆を深めたヨイ。そんな彼女はとある人物に会いにアズラン地方の木もれびの集落を訪れていた…
ヨイ
「…ごぶさたしてます。ヤツハお姉さん」
ヤツハ
「ふふ。ほんま久しぶりやね、ヨイちゃん」
ヤツハ
「ビックリしたわ。何年も音沙汰が無かったのに、急に会いたいなんて手紙を寄越すんやもん。今は天地雷鳴士 陰衆の頭領さんなんやろ?あのちっこかったヨイちゃんが立派になりはってなんやうちも誇らしいわ」
ヨイ
「…ウチ、お姉さんに謝りに来たんよ」
ヤツハ
「謝る?何を?うち、ヨイちゃんに謝られるようなことされた覚えないで」
ヨイ
「ウチな、こないだ 『因果の罪業』いう悪霊に取り憑かれそうになってん。その時に知ってしもたんよ。陰衆が長い歴史の中で犯してきた沢山の罪を。
…それで、陰衆がマンジュさんに、ヤツハお姉さんのお母さんにしたことも知ってしもてん」
ヤツハ
「…そっか、知ってもうたんやね」
ヨイ
「子供の頃からずっと不思議だったんよ。なんでヤツハお姉さん達家族が陰衆の隠れ里から突然おらんようになったんか」
ヤツハ
「それはしかたあらへん。うちのお父はんが陰衆の掟を破って天地雷鳴士の力を私欲のために使ったんやから。追放されて当然だったんよ」
ヨイ
「でもそれは、マンジュさんの実家のアズラン温泉を救うためにやったことなんやろ?アズラン温泉の源泉を司る土地神を召喚して、枯れそうになっていた温泉が再び湧くようにお願いしただけやのに追放やなんて!」
ヤツハ
「どんな理由であれ掟を破ったのは事実や。その気になれば自然の摂理さえもねじ曲げてしまう天地雷鳴士の力を自分たちのためだけに使ったらあかんのよ」
ヨイ
「それだけやない!」
ヤツハ
「?」
ヨイ
「ウチが天地の儀に失敗して陰衆が没落してから、マンジュさんはアズラン温泉の儲けを融通して影で支えてくれてたんやろ?ウチ、そんなん何も知らんと、勝手に勘違いして陽衆とアサヒを恨み続けて…
ウチ、昔から自分のことばっかりや…」
ヤツハ
「ヨイちゃんはちっとも変わらんなぁ」
ヨイ
「せや、ウチは何も変わっとらん…」
ヤツハ
「昔と同じでかわいいヨイちゃんのままや」
ヨイ
「へっ!?」
ヤツハ
「意地っ張りで、不器用で、一人でみんな抱え込んで、…でも本当は誰よりも寂しがりで」
ヨイ
「な、な、なんやの急に!?」
ヤツハ
「あんな、うちのお父はんが陰衆から追放されたとか、お母はんが温泉の売り上げを陰衆に融通してたとか、ほんまに気にせんでええんよ。二人とも 『そうしたかったから』そうしたんやもの。後悔もしてへんし、誰も恨んでへん。
せやから、ヨイちゃんがうちに謝る必要なんてこれっぽっちもないんよ」
ヨイ
「せやかて…」
ヤツハ
「きっとヨイちゃんのことやからこう思っとるんやろ。
『自分は、陰衆を日陰者扱いしてきた陽衆をずっと恨んできたのに、その自分たち陰衆を影で支える人達がいたことに気がつきもせんかった。そんな自分が恥ずかしくて許せへん』
…って」
ヨイ
「…」
ヤツハ
「ヨイちゃん、手紙にこれを一緒に入れてくれたやろ。
チャノキの葉。うちがこの葉の香りが好きなこと、覚えててくれたんやね」
ヨイ
「…ちっちゃい頃、お姉さんと二人で摘みに行った時に好きやって言うてたから」
ヤツハ
「な?自分のことだけやないやん。ヨイちゃん、うちが好きなものちゃんと覚えててくれたんやから。
ヨイちゃんがチャノキの葉を手紙に入れてくれたんも 『そうしたかったから』とちがう?
そうしたかったから… 誰かが喜んでくれたら嬉しいから。
うちのお父はんもお母はんも思いは同じどす」
ヨイ
「せやかて、ウチは…」
ヤツハ
「なんぎやなぁ。ほな、そんなに気に病んでるならお母はんが融通したお金を返してもらいまひょか。それで手打ちにしまひょ」
ヨイ
「も、もちろんや!」
ヤツハ
「これから時々、お母はんのアズラン温泉に泊まりにくること」
ヨイ
「…え?」
ヤツハ
「もちろん、アサヒちゃんも一緒どすえ。最高級の部屋を用意しとくさかい覚悟しとくれやす」
ヨイ
「…やっぱかなわんなぁ、ヤツハ姉ちゃんには」
【 陰の中のさらなる影 完 】