注意!
【この日誌は妄想二次創作ネタ日誌です。広い心でお読み下さい】
特に要注意!!
【この日誌はVer.4までのメインストーリーに関してのネタバレを含んでおります】
よろしいですか?
大魔王マデサゴーラが倒され平和が戻ったグランゼドーラ王国で数年ぶりに開かれることとなった国際学会。王立劇場で行われた前夜祭で旧知の考古学者カーラムと再会した自称大学者フィロソロスは彼から自身の研究について相談を持ちかけられたのだったが…
フィロソロス
「…して、わしに相談したい研究内容とはいったい何じゃな?」
カーラム
「ええ…
こちらの写真を見ていただけますか?
フィロソロス
「ふむ… これはウェナ諸島のブーナー熱帯雨林にある 『詩歌の遺跡』 の写真じゃな。わしも以前研究のために訪れたことがあるが典型的なウェナ様式の遺跡はよく覚えておる。しかしこれがどうしたというのかね?」
カーラム
「やはり先生にもウェナ諸島の遺跡に見えますか。残念ながらこの写真に写っているのは詩歌の遺跡ではありません。この写真は…
エルトナ大陸、カミハルムイ領南にある 『ナギリ洞』 と呼ばれる場所の写真なのです」
フィロソロス
「なんじゃと!? そんなバカな! この特徴的な建築様式はウェナ諸島のものに違いあるまい。それがなぜエルトナ大陸なんぞに?」
カーラム
「驚かれるのはまだ早いですよ。こちらの写真も見て下さい」
フィロソロス
「むぅ… この写真も詩歌の遺跡を写したものに見えるが。これもやはりナギリ洞とやらの写真なのかね?」
カーラム
「いえ。こっちはプクランド大陸、メギストリス領プペラトンネルの最奥にある 『プペラホール』 と呼ばれる場所の写真です」
フィロソロス
「プクランド大陸!? …ちょっと待ってくれ、理解が追いつかん」
カーラム
「他の大陸において他種族の文化様式の遺跡が見つかることは珍しいことではありません。地下洞窟の入口の多くがオーグリードやドワチャッカ様式の建築物であることは広く知られていますからね。ですが…」
フィロソロス
「おぬしの言いたいことは分かっておる。問題は、遺跡の建築様式だけではない。この写真の場所そのものがまるでウェナ諸島で散見される鍾乳洞のようだということじゃろう」
カーラム
「さすが先生、お見通しでしたか。おっしゃるとおりです。遺跡の建築様式だけなら後代になってエルトナ大陸に渡ったウェディ族が築いたと考えてもなんら不思議はないでしょう。しかし、この写真の場所は地質的に見てウェナ諸島に酷似していると言わざるを得ません」
フィロソロス
「カーラム、おぬし実際にそのナギリ洞とプペラホールに行って調査はしたのか?」
カーラム
「もちろんです。地質サンプルも採取してドルワーム王国の王立研究院で分析してもらいました。結果は、どちらの地質もエルトナ大陸やプクランド大陸よりもウェナ諸島のそれに近いというものでした」
フィロソロス
「信じられん。だが、その分析結果が事実ならエルトナ大陸とプクランド大陸にウェナ諸島と同じ地質的特徴を持つ場所が存在するということだ。しかも、その場所にウェナ様式の建築物があるとは単なる偶然とも思えん」
カーラム
「先生はこの事実をどう思われますか?」
フィロソロス
「…おぬしはどう思っているのかね? 他人に意見を聞く前に、まず自分の考えを言ってみてはどうかな」
カーラム
「考古学者としてはあるまじき考えかもしれませんが、私は神話時代に神々の意思が働いた結果、ウェナ諸島の地質的特徴を持つ土地がエルトナ大陸とプクランド大陸に現出したのではないかと推測しています」
フィロソロス
「大胆かつ荒唐無稽な仮説じゃな」
カーラム
「返す言葉もありません」
フィロソロス
「謝らんでもいい。実を言うとわしもおぬしと同じ考えでな。何でもかんでも神々の御業にしてしまっては思考停止も良いところじゃが、実際説明のつかない不可思議な現象に神々が関わっていたということもアストルティアではよくある話じゃからのう。
…それで、おぬしがわしに相談を求めたのはただ単にわしの意見を聞きたかっただけではあるまい?」
カーラム
「ええ、先生に折り入ってお願いしたいことが…
あれ?写真がないな。たしかテーブルの上に置いておいたはずなのに…」
???
「いやったぁあああああ! 新発見だぁあああっ!」
【 学者たちの夜明け その3 へ続く 】