注意!
【この日誌は妄想二次創作ネタ日誌です。広い心でお読み下さい】
【この日誌はVer.3.0ストーリーのネタバレを含んでおります】
よろしいですか?
竜将アンテロを倒し盟友エックスがナドラガンドへと旅立ってから数日後、ドルワーム王国の王立研究院ではチリが新たな研究を始めようとしていた。その研究について、院長のドゥラと賢者ティーザに相談したのだが…
チリ
「ダメって… どうしてですかっ!?」
ティーザ
「落ち着きたまえ、チリくん」
チリ
「遠く離れた相手と会話ができる 【遠距離通話機】。 実現できればアストルティアを一変させるほどの大発明ですよ」
ティーザ
「とにかく、ダメなものはダメなのだ」
チリ
「そんな理由では納得できません!ドゥラ院長もそう思うでしょう?」
ドゥラ
「そうですね。実用化できるかどうかはともかく、研究することさえ禁止というのは疑問を抱かざるをえません」
チリ
「そうよね。それに技術的に実現の可能性があるのに研究できないなんて、何のための王立研究院なのかわかりません」
ティーザ
「やれやれ… 二人とも一度言い出したらガンコだからのう。では試みに問うが、実現の可能性がある技術とは一体どんなものなのだ?」
チリ
「竜将アンテロの行方を追うのに使った発信機があるでしょう?あの技術を応用すれば、声を信号に変換して送受信できると思うの」
ドゥラ
「なるほど。送話器で声を信号に変換し、受話器で信号を声に戻すのですね。それなら通話機を作ることも出来るかもしれません」
ティーザ
「残念ながら不可能だ」
チリ
「え?」
ティーザ
「声を信号に変換するのは無理なのだ」
チリ
「無理って、なんでそんなことが分かるんです!?」
ティーザ
「今までも遠く離れた場所にいても会話ができる機械や技術に関する研究は何度も行われてきたのだよ。だが、そのことごとくが失敗に終わった。ヒトの声や言葉を信号に変換するのは無理なのだ」
チリ
「そんな…」
ティーザ
「そもそも不思議だと思わんかね?様々な技術が日進月歩で発達しているこの世界で、手紙はいまだにドラキー郵便に頼りきり。各国の情報伝達は伝令兵が担い直接現地へ赴いておる。グランドタイタス号やクイーンディオーレ号などの大型客船においても船内通話は伝声管で行うのみだ。こと通信という一事においてアストルティアでは数千年前から全く進歩しておらんのだよ」
ドゥラ
「それは私も疑問に感じていました。大陸間鉄道のような交通網がありながら、情報伝達技術においてはあまりにも未発達すぎると…」
ティーザ
「わかったかね。遠距離通話技術に関する研究は禁忌なのだ。少なくともこのドルワーム王立研究院においては」
チリ
「でも!今まで不可能だったからって全ての可能性を否定するのは…!」
ティーザ
「命を落とすことになりかねんのだッ!!」
チリ
「ッ!?」
ドゥラ
「ティーザさん、いくらなんでもそれは大げさすぎるのでは…」
ティーザ
「すまん、つい大声を出してしまった…。だが冗談ではなくこの研究は命あるものには手に余るのだ。悪いことは言わんから諦めなさい」
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ドゥラ
「…チリ王女、まだ諦めてらっしゃらないのですか」
チリ
「王女はやめて。さっきティーザさんが言ってた 『命あるものには手に余る』 って言葉。
それって死者になら可能だってことじゃない?」
ドゥラ
「死者にならって… 何を考えているんですか!?」
チリ
「ある人が以前話してたことを思い出したの。アストルティアには生きながらにして死者の世界に足を踏み入れた 【 デスマスター 】と呼ばれる人達がいるって。その人達なら何か知っているんじゃないかしら」
ドゥラ
「デスマスター… 私もウワサ程度になら聞いたことがありますが、実在するのかどうかもあやふやな存在ですよ」
チリ
「それについてはちょっと心当たりがあるの。今からその人に会いに行ってくるから、悪いけど留守の間お願いね」
ドゥラ
「な…! いけませんチリ王女、つい先日も危ない目に遭ったばかりなのに!」
チリ
「ドゥラ院長は遠距離通話機の研究がどうして禁止されてるか理由が知りたくないの?」
ドゥラ
「それは… 知りたくないと言えば嘘になりますが…」
チリ
「決まりね。大丈夫、危ないことなんてしないから」
ドゥラ
「いったい、どこへ行かれるというのですか?」
チリ
「私が育った町… 岳都ガタラよ」
【 遠く響く声 その2 へ続く 】