※注意!
【この日誌は妄想二次創作ネタ日誌です。広い心でお読み下さい】
※特に要注意!
【この日誌にはデスマスターの職業クエストに関するネタバレが含まれております】
よろしいですか?
遠く離れた者同士が会話できる【遠距離通話機】の研究を提案したチリは、王立研究院の賢者ティーザから「遠距離通話技術に関する研究は禁忌である」と固く戒められる。「その研究は命ある者には手に余る」というティーザの言葉に疑問を抱くチリは、ドゥラの心配をよそに「研究を禁じる理由」を探るために行動する。命ある者には手に余るのなら、「生きながら死者の世界に足を踏み入れられる者」すなわち 『デスマスター』なら何かを知っているのではないかとその鍵を握る人物を訪ね故郷である岳都ガタラを訪れるのだった…
チリ
「久しぶりねチササ!急に呼び出したりしてゴメンナサイ。迷惑じゃなかったかしら」
チササ
「ご無沙汰しております、チリ王女。お気になさることはありませんわ。王女殿下におかれましてもご機嫌麗しゅうぞんじます」
チリ
「その取って付けたようなお嬢様言葉、相変わらずね。せっかく酒場にいるんだし何か飲む?もちろん私が奢るわよ」
チササ
「お酒をたしなむにはまだ日が高いのではありませんこと?淑女たるもの慎みは必要ですわ。それで、手紙に書いてありましたご用件については承りましたわ。『遠距離通話機』の研究は禁忌とされており、その謎を解く鍵をデスマスターなる存在が知っているのではないか… ということでしたわね」
チリ
「そうなの。あなた以前、『デスマスター』について話してくれたことがあったでしょ。詳しく知っているんじゃないかと思って。話しづらいかもしれないけど、今の私の研究にどうしても必要なの。そもそも『デスマスター』という人たちは本当に存在するの?存在するとしたら、彼らはいったい何者なの?」
チササ
「存在するかしないかで言ったら、間違いなく存在しますわ」
チリ
「本当!?」
チササ
「ええ… わたくし自身がデスマスターなのですから」
チリ
「はぁっ!?」
チササ
「もっとも、正式なデスマスターではなく言わば見習い… 出来損ない? みたいなものなのですけれど」
チリ
「あなたがデスマスターって、そんなに簡単になれるものなの?あ、いや簡単にはなれないかもしれないけど、いったいどうやって…」
チササ
「わたくしは幼い頃から幽霊や死後の世界というものに強い興味を惹かれていましたの。でも、普通のヒトであるわたくしには幽霊を見ることは出来なくて…。そんな時に幽霊が見えるだけでなく会話さえも出来るというデスマスターの存在を知って、いてもたってもいられなくて弟子入りを志願したのですわ」
チリ
「そんなことが… あなたの降霊術はてっきり生まれついての力だと思ってたけど、デスマスターの力だったのね」
チササ
「そういうことですわ。幸いわたくしの師匠になってくださった女性はとても優しい方で親身に相談に乗ってくださいました。そしてわたくしにデスマスターになるための儀式 『冥食の儀』を受けさせてくださいましたの」
チリ
「冥食の儀?」
チササ
「デスマスターにとって必須の『霊感』を目覚めさせる儀式のことですわ。その儀式を行ったわたくしはデスマスターとなり、霊の姿を見、声を聞くことができるようになったのですの」
チリ
「そうだったのね。でも、今のあなたは正式なデスマスターではないのよね?」
チササ
「お恥ずかしい話ですけれどそうなのですわ。デスマスターの使命は現世に未練を残してさまよう霊の悩みを解決し、祈りによって昇天へと導くことなのですけれどわたくしの祈りでは上手く昇天まで導けなかったんですの。でも、霊の声を聞くことはできるので今は採掘ギルドでティノイ様を悩ませる悪霊の依頼を解決していますのよ。ティノイ様ったら私が悪霊がいるって言うたびに怯えて…うふふふ」
チリ
「あはは… じゃ、じゃああなたの今の話だと私もその『冥食の儀』を行えば霊が見えるようになるかもしれないってことよね?」
チササ
「理屈の上ではそうですけれど… 本気ですの?」
チリ
「研究のためだもの、やってみる価値はあるわ。それに自分がデスマスターになれば、『遠距離通話機』の研究がなぜ禁忌とされているのか、その謎に迫ることが出来ると思うの」
チササ
「怪盗ポイックリンは狙った獲物は逃さない…でしたわね。わかりました。協力しますわ」
【 遠く響く声 その3 へ続く 】