※注意!
【この日誌は妄想二次創作ネタ日誌です。広い心でお読み下さい】
※特に要注意!
【この日誌にはデスマスターの職業クエストに関するネタバレが含まれております】
よろしいですか?
「遠距離通話機の研究の鍵はデスマスターにある」そう考えたチリは降霊術を使える旧知の友人チササを訪ねる。なんとチササはかつてデスマスターになるための儀式 「冥食の儀」を行ったと聞かされ、チリは自分もその儀式を行うためチササに協力を仰ぐのだった…
コバッチュ
「このへんは 野草の宝庫だべさ。
おらぁは 野草から 薬を作って
あきないを してるだぁよ。
けんど 一見さんにゃあ
売らんことに してるだぁよ」
チリ
「あなたがコバッチュさん? 私はチササの友人でチリっていいます。これ、チササからの紹介状」
コバッチュ
「なんだ、チササの知り合いだったのか。変な芝居して損したぜ。んで、こんなブーナー熱帯雨林の辺境にある野営地まで来ていったい俺に何を売って欲しいんだ?」
チリ
「私が説明するよりチササからの紹介状を読んだ方がきっと早いわ」
コバッチュ
「ん? どれどれ…
…
なるほど、『遠距離通話機』ね… お前さん面白いことを考えるな。まぁいいさ、その研究のためにデスマスターの『冥食の儀』を行いたいってんなら『おむかえデスよ』を売ってやろう」
チリ
「ずいぶんアッサリしてるのね。そんなに簡単に私を信用していいの?」
コバッチュ
「お前さん、俺をただの怪しい商人だと思ってないか?」
チリ
「そりゃ、そんな見た目してればね」
コバッチュ
「ハッキリ言うねぇ。 いいか、俺たちドワーフはたしかに金が好きだ。だが、ただ金儲けが好きなんじゃねぇ。ドワーフは真に価値があるものを見極める審美眼に長けているんだよ。お前さんもドワーフだから分かるだろう?」
チリ
「審美眼ね…」
『 世界中のガラクタを集めてやるんです!ぐぷぷぷぷ… 』
チリ
「アレも審美眼なのかしら… まぁ、言いたいことは分かるわ」
コバッチュ
「そしてそれはなにも物に限った話じゃねぇ。真の商人ってのは目の前のお客が物を売るに値する相手かどうか見極める人物鑑定眼にも優れているんだ。俺たちドワーフの商人は 『その商品を本当に手にするにふさわしいヤツ』だけにしか売らねえのさ。港町レンドアにいる俺の商人仲間のチャガナやコロペンもそうだぜ」
チリ
「つまり私は商品を手にするにふさわしい人物だと思ってくれたわけね。それにしてもいくら人物鑑定眼に自信があるからって初対面の私にそこまで話していいものなの?」
コバッチュ
「お前さん、ベッピンだからな。こいつはサービスだ」
チリ
「ふふ。ありがとう」
コバッチュ
「サービスついでにもうひとつ面白い話を教えてやろう。ヴェリナード城の女王ディオーレが歌う『恵みの歌』を知ってるか?」
チリ
「ウェナ諸島全域の海が荒れることがなく豊かな恵みをもたらすように加護を与える歌のことでしょう?」
コバッチュ
「そうだ。『恵みの歌』はヴェリナード城のバルコニーで歌われるが、その歌をウェナ諸島全域に届かせるために、ラーディス王島の知恵の眠る遺跡にある波紋の音叉ってのが歌を増幅しているって話だぜ」
チリ
「その音叉に私が研究する『遠距離通話機』のヒントがあるって言いたいの?」
コバッチュ
「まぁな。だがそれだけじゃねぇ。ウェディって種族ははるか昔から『声』ってもんをものすごく特別視してきてんだ。シエラ巡礼地には五つの声を祭る祠もあるって言うしな。そのウェディの格言にこんなのがあるんだよ。
【 心は心から伝わり 心を伝える言葉が道を開く 】 」
チリ
「心は心から伝わり… 心を伝える言葉が道を開く…?」
コバッチュ
「お前さんの考える『遠距離通話機』ってのは機械で声を相手に伝えるんだろ?でもな、声にせよ歌にせよ言葉ってのは単純に音だけじゃねぇ、もっとこう 『魂』的なもんが関わってるような気が俺にはするんだよ」
チリ
「『魂』か… なるほど、たしかに面白い話ね」
コバッチュ
「どうだい、役に立つかい?」
チリ
「さぁ、それはまだわからないわ」
コバッチュ
「ちっ、本当にハッキリ言うお嬢さんだぜ。ところで、『冥食の儀』をするっていっても師匠のアテはあんのかい?」
チリ
「ええ、チササに紹介してもらったわ。グレン東の荒野に住むデズリンって人」
コバッチュ
「デズリン? だがアイツは… ああ、まぁ ちっと頼りないけど大丈夫か」
チリ
「?」
【 遠く響く声 その4 へ続く 】