※注意
【この日誌にはVer.4辺りまでのストーリー及び様々なサブクエストのネタバレを含んでいます】
【この日誌は妄想二次創作です。広い心でお読み下さい】
【この日誌にはメタフィクション的な視点が含まれています】
よろしいですか?
私の名前はテオフィロス。アストルティアでは少しは名の知られた小説家だ。ファンの間ではテオという愛称で親しまれている。
「アグラニの町に町長はいない」
その理由を探るため私は弟子を伴い捜査のためアグラニの町を訪れた。
町の歴史を調べるうちに、上層の町の誕生にガタラの採掘ギルドが関わっていたことを知った私は、さらなる調査を進めるため岳都ガタラの採掘ギルドを訪れた。そこで、採掘ギルドから派遣されていた代表者チャウチョの死を知るのだった…
ホッチャ
「ご馳走様でした。うむ、これがまごころ駅弁か… この美味しさはまさに味の大陸横断鉄道と呼ぶにふさわしいわい」
弟子
「どうぞ、お茶が入りましたよ」
ホッチャ
「おお、これはすまんな」
弟子
「いえ、こちらこそお台所を勝手に使ってしまってすみません」
テオ
「おい、私のお茶がないようだが?」
弟子
「のどが乾いたんですか? 町の中に井戸がありましたから好きなだけ飲んでくればいいじゃないですか」
テオ
「そういう問題じゃないっ! まったく… それで、チャウチョが死んだと言ってたがいったいどういうことなんだ? 弁当を食ったからにはきっちり話してもらうぞ」
ホッチャ
「まあそう慌てるな。物事には順序というものがある。掘る順番を間違えるとお宝には辿りつけんぞ。お前さんが知りたいのは、チャウチョがなぜアグラニの町から採掘ギルドに戻ったのか、なぜ死んだのか、なぜ採掘ギルドは活動を休止したのか、おおまかに言ってこの三つじゃな」
テオ
「そうだ。もったいぶらずにさっさと教えろ」
ホッチャ
「さて何から話したものか… チャウチョは昔からのわしの仲間でな、地味だが堅実な性格を活かして採掘ギルドの会計を担当しておった。やつに任せれば一分の狂いもなく決算できると評判じゃったよ。そんなやつの人格と能力を見込んでアグラニの上層の町の代表者として派遣したんじゃ。」
弟子
「でも、アグラニの町の住民からは散々な嫌われようだったみたいですよ」
ホッチャ
「その通り。やつの誠実さはうわべだけ。全ては演技だったのじゃ。最初からやつは、ガタラの前町長と繋がっていたんじゃよ」
テオ
「ガタラの前町長?」
ホッチャ
「前町長は独裁的な町政で町の住民に重税を課し、私腹を肥やしておった。だが、岳都ガタラなどと言ったところで主な産業は採掘ギルドとカルサドラ火山のお膝元という観光資源だけ。財を蓄えるにも限界がある。そこで目をつけたのがアクロニア鉱山じゃ」
弟子
「チャウチョがアグラニの町で私腹を肥やしていたというウワサは本当だったんですね」
ホッチャ
「うむ。まんまとアグラニの上層の町の代表者に収まったチャウチョは己の立場と会計の腕を悪用し、不当に安い値で鉱山の鉱石を買い取った。だが、採掘ギルドには正規の値段で買い取ったと報告した。その差額はチャウチョとガタラの前町長のフトコロに収まったという寸法じゃて」
テオ
「そんな手段で私腹を肥やしていたのか。まったく羨ましい!」
弟子
「先生、本音が出てます」
テオ
「しかし、チャウチョがガタラの町に戻ったのは約7年前と聞いたが、いったい何があったんだ? 不正がバレたのか?」
ホッチャ
「当時、ガタラにはマスク・ド・ムーチョという義賊がおってな。その男が町長の屋敷から金品を盗み出して町民に分け与えたんじゃよ。町長の権威は失墜しついには失脚。失意のどん底に陥った町長はその後まもなく流行り病で死んでしもうた」
弟子
「後ろ盾を失ったチャウチョは自分の不正も明るみに出るのを恐れて採掘ギルドに戻ったということですか?」
ホッチャ
「そういうことじゃ。だがわしもやつの動向を黙って見ていたわけじゃない。アグラニの町の住民たちの声は採掘ギルドにも届いておったからな。採掘ギルドに戻ったチャウチョをわしは厳しく取り調べた。やつはあっさり白状したよ。ギルドを追放されたチャウチョはなんの因果か町長と同じ流行り病にかかって亡くなったんじゃ」
弟子
「そういうことだったんですね」
テオ
「なるほど。チャウチョの件に関してはわかった。では採掘ギルドが活動を休止している理由はなんなのだ。どうやらチャウチョや前町長とは無関係のようだが?」
ホッチャ
「ああ、それはな…」
アグラニ町長殺人事件 その7に続く
…かも?