※注意
【この日誌にはVer.4辺りまでのストーリー及び様々なサブクエストのネタバレを含んでいます】
【この日誌は妄想二次創作です。広い心でお読み下さい】
【この日誌にはメタフィクション的な視点が含まれています】
よろしいですか?
私の名前はテオフィロス。アストルティアでは少しは名の知られた小説家だ。ファンの間ではテオという愛称で親しまれている。
「アグラニの町に町長はいない」
その理由を探るため弟子を伴い調査を進めた私は岳都ガタラの採掘ギルドを訪れた。そこでマスター・ホッチャとホッツィ親方が兄弟であると聞かされるのだった…
テオ
「採掘ギルドのマスターとアクロニア鉱山の親方が兄弟だとっ!?」
弟子
「マスター・ホッチャとホッツィ親方… そういえば名前が似てますね」
ホッチャ
「採掘ギルドからアグラニの上層の町の新たな代表者を派遣できんから、今現在実質的にアグラニの町をまとめているのは弟での。苦労をかけてしまって兄としては申し訳がたたんわい」
テオ
「ちょっと待て。それじゃ何か? ホッツィ親方も採掘ギルドの息がかかってるのか?」
ホッチャ
「いや、弟はギルドとは何の関係もない。あいつもなかなかの土竜眼の持ち主でな。自分の力を試したいとアクロニア鉱山の一鉱夫から始めて実力で親方にのし上がったんじゃ。そもそも、荒くれ者ぞろいの鉱夫たちを外から来た新参者がまとめられるわけがないからのう」
弟子
「たしかに、現場で働く労働者たちの信頼を得るのは並大抵ではないでしょう」
テオ
「フン、まぁそういうことにしておこうか。ところで、ここにはチササという女がいると聞いたが今日はいないのか? なんでも降霊術でお宝のありかを念写してくれるそうじゃないか」
ホッチャ
「チササならドルワーム王立研究院にいる友人が久々に訪ねてくるとかで出かけておるよ。そろそろ帰ってくる頃じゃと思うが…」
チササ
「ただいま戻りました」
ホッチャ
「おお、ウワサをすればなんとやらじゃ」
チササ
「まぁ、私のウワサをしてたんですか? うふふ…
あら? こちらのお嬢さん方はどちら様ですか?」
テオ
「お嬢さん? 何を言ってるんだ? いいか、私はテオフィロス。知る人ぞ知る天才小説家だ!」
弟子
「すみません、この人かわいそうなハゲなんです。ほっといて下さい」
テオ
「ぅおいっ!?」
チササ
「まぁ、本当にかわいそう…」
テオ
「憐れみの目で頭部を見るんじゃない! あ~、チササとやら、お前お宝のありかを念写できるそうだな。ひとつ私にも念写させてやっても良いぞ」
チササ
「無理です」
テオ
「即答っ!?」
チササ
「だってあなた土竜眼を持ってらっしゃらないのでしょう? 念写しても掘り出せないでしょうから」
テオ
「ぐぬぬ…!」
チササ
「それにティノイ様がいないところで念写してもつまらないですもの… ティノイ様はまだ寝てるんですか?」
ホッチャ
「お前が今朝 『 ティノイ様の後ろに悪霊が見えます 』 なんて脅すからすっかり怖がっちまって布団から出てこんわい」
チササ
「あらあら うふふ」
テオ
「ええいっ! もうこんな所に用はない、帰るぞっ!」
弟子
「やれやれ… お騒がせしてすみません。お話を聞かせて頂いてありがとうございました」
ホッチャ
「ひとつ気になったんじゃが… あの先生、お前さんが女だと気づいとらんのじゃないか?」
弟子
「でしょうね」
チササ
「まぁ、こんなに可愛らしいお嬢さんなのに」
ホッチャ
「わからん… どうしてお前さんみたいな器量良しがあんな男を…」
弟子
「好きだからですよ」
ホッチャ
「 え 」
弟子
「自分を賢いと思い込んでいる人を、掌の上で弄ぶのがたまらなく滑稽で好きなんです。うふふふふ…」
チササ
「その気持ち、わかりますわ。うふふふふ…」
ホッチャ
「まさかとは思うがあの先生に惚れて」
弟子
「ないです」
ホッチャ
「即答かい。まぁ、いじめるのもほどほどにしてやんなよ」
弟子
「努力します」
ホッチャ
「…そっちは即答じゃないんじゃな」
チササ
「乙女心は複雑なのですわ」
テオ
「おい! 何をモタモタしているんだっ!?」
弟子
「今 行きまーす。それでは本当にお世話になりました。失礼いたします」
アグラニ町長殺人事件 その9 (エピローグ) に続く
…かも?