※注意!
【この日誌にはVer.5.3メインストーリー「勇者復活」の終盤あたりまでのネタバレを含んでいます】
【この日誌は妄想二次創作です。広い心でお読み下さい】
よろしいですか?
ガミルゴの盾島で魔王ヴァレリアに敗れたアンルシアは賢者ルシェンダと共に己を鍛え直す修行に励んでいた。そして…
ルシェンダ
「厳しい修行によくぞ耐えたな、アンルシア姫。もはや魔王相手といえど遅れをとることもなかろう」
アンルシア
「ルシェンダ様! 修行を終えた今、一刻の猶予もありません。すぐにでも魔界に乗り込みましょう!」
ルシェンダ
「慌てるな。魔界に乗り込むと言ってもガミルゴの盾島にある魔界への穴は結界で封じられて通ることができん。闘戦聖母さまの所に伝令兵を送って一時的に結界を解いてもらうよう依頼するから、それまでは休息を取るとしよう。修行の疲労を回復しておくことも大切だぞ」
アンルシア
「そんな… もどかしいです」
ルシェンダ
「気持ちはわかるが、我ら二人だけで魔界に乗り込むのはさすがに危険すぎる。せめてあと二人は魔界の過酷な旅を共にできる手練れの同行者が必要だろう。その人選も急がねばな」
マルトン
「…失礼します。ルシェンダ様はこちらにいらっしゃいますか?」
ルシェンダ
「ああ、私ならここだ。どうした?」
マルトン
「はい。城下の防具屋の主人でレンケンなる者がルシェンダ様にお会いしたいと申しております。なんでも、依頼されていた品が完成したので持ってきたとか」
ルシェンダ
「おお、できたか!さすがはレンケン、予想以上に早かったな。構わんから部屋の中にお通ししろ」
マルトン
「はっ! 承知いたしました」
レンケン
「ルシェンダ様、お待たせいたしました! 頼まれていたお品が完成しましたぞ!
…どうなさったのですか? ずいぶんと、その、お召し物が傷んでいるようですが」
ルシェンダ
「なに、姫の修行の旅に同行していたのだがついさっき戻って来たばかりなのでな。身なりが汚れているのはどうか許してほしい」
レンケン
「なんと、そうでしたか。そういえばアンルシア姫もさらに凜々しくなられましたな」
アンルシア
「フフッ、ありがとう。ところでルシェンダ様、レンケンさんに頼んでいた品というのはいったい何なのですか?」
ルシェンダ
「うむ、魔界に出征する姫のために新たな防具 『大勇者の天衣』 をしつらえたのだ」
アンルシア
「私の… 新しい防具ですか?」
ルシェンダ
「何しろ今度の敵は魔界の魔族なのだからな。万全を期すにこしたことはない」
レンケン
「ささ、姫。どうぞ袖をお通し下さい。私は部屋の外に出ておりますので」
レンケン
「おお、さすがは姫様! なんと麗しい!」
ルシェンダ
「これは見事だな」
アンルシア
「…ちょっと、派手じゃないかしら?」
ルシェンダ
「そんなことはないぞ。まさに大勇者と呼ぶにふさわしい姿だ」
レンケン
「実はこの防具には特別な加工を施しておりまして… 姫、全身の気合を高めていただけますか?」
アンルシア
「気合? こうかしら…」
…パチッ! パチパチッ!!
ルシェンダ
「これは…! 姫の全身が稲妻を纏っている…!?」
レンケン
「はい! アンルシア姫は雷撃の呪文が得意だとお聞きしましたので、その魔法力を纏えるようにしたのです。サンダーシャウトが落とす『 月光の金糸 』 という特殊な素材を全身のいたる所に縫い込んであるのですよ」
アンルシア
「スゴイ… 雷の魔力が勇者の力と共鳴して何倍にも高まっている感じだわ」
レンケン
「それだけではありません。今度は右手の拳に力を集中させてみて下さい」
アンルシア
「右手の拳… こうね!」
バチバチバチッ!!
ルシェンダ
「くっ! なんという閃光だっ!」
レンケン
「右手の籠手には特にふんだんに月光の金糸を使用しました。魔族が相手ともなれば激しい戦いの最中に剣を取り落とすこともありましょう。そのような場合でもこの雷の拳があれば隙を見せることなく戦いを継続することができるのです! 名付けて 『 アンルシアナックル 』!」
ルシェンダ
「見事だレンケン。さすが王家御用達は伊達ではないな」
レンケン
「お褒めいただき恐縮にございます」
アンルシア
「ガミルゴの盾島での戦いでは不覚を取ったけど今度は負けない… 大魔王の顔にこのアンルシアナックルを叩き込んでやるわ!」
こうして新たな力を得たアンルシアは魔界の深奥を目指して旅立つのであった。だが、その先に待つ残酷な運命を彼女はまだ知るよしもなかったのである…
【 唸れ! アンルシアナックル! 完 】