※ 注意!
【 この日誌には「Ver.4.4 うつろなる花のゆりかご」のメインストーリーに関する『 重大なネタバレ 』が含まれております 】
よろしいですか?
「 ハパックス・レゴメノン 」というギリシア語の言葉があります。
直訳すると、「 一度だけ言われた 」という意味で、日本語では「 孤語(こご)」と訳されます。
ウィキペディアによるとその意味は
「 ある言語で書き記されたすべてのテキスト全体なり、特定の作家の作品群や、特定のひとつのテキストの中など、一定の文脈の中で、1回だけ出現する単語である 」
だそうです。
ひらたく言えば、「 物語の中で一回だけ使われた単語 」ということですね。
さて、ドラクエ10もサービスを開始して10年の月日を閲し、ストーリーもついにVer.6を迎えることとなりました。
その長い長い物語の中で、一度だけしか出て来なかった単語があります。
Ver.4.4メインストーリーに登場した
「 霊子構造 」
という単語です。
Ver.4.4メインストーリー「 うつろなる花のゆりかご 」の物語の舞台は一千年後の未来の宇宙を航行する移民船アルウェーン号です。
アルウェーン号は管理者のプクラスが統治し、プクラスが冷凍睡眠をしている間は彼の複製体、いわゆるクローンたちが彼に代わって管理をしていました。
ある時、複製体の一人 C141 は増殖獣バイロゴーグの細胞サンプルを宇宙船内で発見します。プクラスの生来の身体の弱さを日頃から心配していたC141は純粋な善意から、バイロゴーグの細胞の増殖力を利用すればプクラスを健康に出来るかもしれないと考えました。しかし、いきなりプクラス本人に試すわけにはいかない。そこで彼は自分の身体で実験することにしたのです。
アルウェーンの宇宙船・立入禁止区画の立て札に記録された『大いなる目覚め・1』にはC141の次のような手記が記されていました。
「 同じ 霊子構造を持つ 私の身体で 試して
成功したら プクラスにも施術しよう 」
おそらく、現在配信されているドラクエ10のあらゆるストーリー、クエストの中で「 霊子構造 」という単語が出て来たのは後にも先にもこの時だけです。
「 霊子構造 」とはいったい何なのか?
単純に考えれば、現実世界で言うところの「 遺伝子構造 」と同義だと思います。
ドラクエは剣と魔法のファンタジーをモチーフとした世界です。
その世界で、遺伝子という単語はイメージに合わなかったのでしょう。
また、宇宙移民船アルウェーン号が一千年後の世界であることから、メインストーリーの時間軸のアストルティアでは、「 霊子構造 」という概念が一般的ではなかった可能性もあります。魔法によらず科学でクローンを作るという考えそのものが異端だったのかもしれないし、ともすればパルミオ博士が後になって発見し体系化した学問、技術なのかもしれません。
もしもこの「 霊子構造 」が遺伝子と同義であるならば、「 霊子構造 」こそが現実世界でいうところの遺伝的形質・特徴を決定づける因子なのでしょう。
これは実に興味深いです。
ファンタジー世界のヒトを含む生物は現実世界と身体構造が同じであるとは限りません。
今のところ色々なストーリー、クエストから少なくとも
目、耳、鼻、舌、肌(触覚)などの感覚器、そして血液、骨、筋肉、神経、脳、爪、髪などの器官は現実世界のヒトと同じようにアストルティアのヒトも備えていると考えられます。
メラゾ熱という病気のウイルスが存在し、そのワクチンもあるということから免疫や抗体という概念もあるのでしょう。
ですが、アストルティアのヒトには「 遺伝子 」という概念はなく「 霊子構造 」が主流であるとすれば、それは現実世界とアストルティアのヒトの決定的な違いだということです。
「 霊子 」という言葉から、もしかすると「 魂 」や「 アストラル(星幽体)」などとも密接な繋がりがあるかもしれないと考えるとワクワクしますね。
今後、ストーリーやクエストの中で再び「 霊子構造 」という単語が使われることがあったら、さらなる謎が解き明かされるかもしれませんので、個人的には期待したいところです。
最後まで読んで下さって、ありがとうございました(^^)/