※ 注意!
【 この日誌はVer.5(魔界)のメインストーリーにおけるネタバレを含んでいます 】
【 この日誌には妄想、憶測、推論が含まれております。 広い心でお読み下さい 】
よろしいですか?
5.【 イーヴとの別離 】
アストルティアに逃亡したイーヴをすぐに追いかけたエルガドーラは苦労の末にようやく夫と息子を見つけ出しました。
しかし再会の感動も束の間、イーヴはまたしてもとんでもないことを言い出したのです。
「 アスバルの魔力を封じてアストルティアで育てるつもりだ。ゼクレス王国を捨て、親子三人一緒に暮らそう 」
そう笑って語る夫の姿は、何か得体の知れない怪物のように妻には見えました。
二人は激しく言い争いました。
「 王がいなければ国は成り立たない! 」
エルガドーラが夫を責め立てると、
「 そんな国ならばいっそ滅んでしまえばいい! 」
と、イーヴは妻に言い放ったのです。
その時、眠っていたアスバルが二人の争う声で泣き出しました。乳飲み子だったアスバルは母エルガドーラにすがりつき、必死に息子をあやす妻の姿にイーヴは全てをあきらめ一人でアストルティアのいずこかに姿を消したのでした。
「 このまま夫を放置しておけば、いずれゼクレスにとって大きな災いとなるかもしれない 」
夫の得体の知れない考え方に危機感を覚えたエルガドーラでしたが、それでも彼女にはイーヴを殺すことはできませんでした。
そして、これが二人にとって永遠の別離になったのです。
6.【 ゼクレスにエルガドーラ体制を敷く 】
ゼクレス魔導国に戻ったエルガドーラは、イーヴ王は亡くなったと国中に知らせました。
突然の国王崩御の報せにゼクレス中が混乱に陥るかと思われましたがそうはなりませんでした。大貴族たちにとって「 貴族制度廃止 」 を唱えるイーヴの死はむしろ好都合だったのです。たとえその死が事実ではなくても。それどころか、この期に乗じてエルガドーラ王妃とその弟オジャロスを抱き込み権力を掌握しようという者まで現われるほどでした。
この大貴族たちの動きにエルガドーラはあらゆる手段を使って対抗しました。
なにしろ相手は一筋縄ではいかない古狸ども。油断をすれば寝首をかかれるのは自分たちなのです。
まず、イーヴ王の後継者は自身の息子アスバルただ一人であると正式に宣言し、アスバルが成人するまでは自分が摂政として政務の全権を司る旨の詔勅を発布しました。
さらに、弟のオジャロスに大公の爵位を授けると自らの片腕として政務の補佐をさせた他、公にはできない汚れ仕事を任せたのです。
大貴族たちの中にはエルガドーラへの反発を示す者たちもいましたが、そもそも我が強く協調性に欠け徒党を組むことを嫌う貴族たちのこと、エルガドーラ自身が各貴族を個別に懐柔することで 「 貴族連合 対 エルガドーラ 」 という最悪の事態をなんとか回避しました。
この時、口約束とはいえエルガドーラが娘を持つ各貴族に 「 アスバルが王位に就いた暁には貴家の息女をぜひ妃に迎えたい 」 と言ったことで、むしろ各貴族同士がお互いに 「 将来のゼクレス王の外戚 」 の座を巡って積極的に争ったことにより王家、すなわちエルガドーラに対して表面上とはいえ味方をする者が増えたのです。
一方、貴族とは別にイーヴ王の生存を信じ復権を願う平民たち、いわゆる 「 前王派 」の存在も悩みの種でした。なにしろ、イーヴが生きているのは事実なのですから。
この件に関しての処理はオジャロス大公に一任されました。
オジャロスは前王派の首領であるファウロン老人に近付くと 「 自分もイーヴ王の復権を願っている。エルガドーラは姉だがその性根はすこぶる悪くこのままでは伝統あるゼクレス魔導国は姉の好きなようにされてしまう 」 とうそぶき、逆スパイとなって懐に潜り込んだのです。
やがて、イーヴとの連絡係であるヴァラックを仲間に加え、ヴァラックを通じてイーヴからエルガドーラに宛てた手紙が数年おきに渡されるのですが、オジャロスはこの全ての手紙をエルガドーラに渡すことなく握りつぶしました。その理由は定かではありませんが、幼い頃に虐められた姉への意趣返しだったのかもしれません。
さらに、姉の名を騙って宮廷魔術師サラジャンの家族を人質に取り、イーヴがゼクレス魔導国に入れないよう死の結界を張らせました。
7.【 息子とゼクレス魔導国に対する偏愛 】
8.【 それでも息子と国を愛した悲劇の女性 】
は、次の日誌で書きます。
※ 注!
6.【 ゼクレス魔導国にエルガドーラ体制を敷く 】
の内容はほとんど筆者の妄想です。前後の辻褄合わせのために創作しました。ご了承下さい。